宇都宮大学広報誌 UUnow 第50号
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● 高校の時にパナマに留学した経験があり、卒業研究はラテンアメリカを含めた全世界のスペイン語、特に「おいしい」という表現を豊かに使い分けるスペイン語の味覚表現に注目して進めました。この研究室は留学生が多く、様々な言語に触れられることが魅力です。留学生から気づかされることがあり、あらためて日本語を見つめなおすこともできました。● 研究室概要国際文化学科4年 染谷心● 日本の歴史に興味を持ったことがきっかけで日本語を本格的に学ぶようになりました。歴史的な出来事では明治維新、人物では西郷隆盛に魅かれます。研究室では日本と中国両国における「親善」という言葉の使用状況や解釈の仕方についてアンケート調査などを通して研究しています。将来の目標は中国の大学の日本語教員になることです。11●UUnow第50号 2020.4.20● 自分が通う小学校が日本(JICA)の支援を受けていて「日本人は優しい」と感じたことがきっかけで、日本に興味を持つようになりました。今の日本はカンボジアの将来の姿、今の日本を知ることでカンボジアの将来が見えてきます。研究室ではカンボジアの言葉にはない謙譲語について研究しています。将来はカンボジアで日本語教師になりたいと思います。大学院地域創生科学研究科1年ヘン・シータイ(カンボジア)●ベトナムで期待されている初級日本語会話の授業はどのようなものか研究しています。大学院では日本語以外に理系も含め様々な分野を学ぶ機会があり未知の世界を知ることができました。ベトナムの大学と比べ学んだことを発表する機会が多くスピーチの力もついたと感じています。将来、日本語の翻訳や通訳など日本とベトナムの架け橋となる仕事をしていきたいです。専門分野:言語学授業科目:基盤/多言語コミュニケーション学A・B、日本語アカデミック・コミュニケーション:学部/日本語教育と国際協力、言語・コミュニケーション研究D、LinguisticTypologyandLanguageCommunication:大学院/現代日本語論、日本語論述表現法Ⅰ・Ⅱ、国際交流と日本語教育Ⅰ・Ⅱ吉田一彦 教授● 教員から大学院地域創生科学研究科1年グエン・ジエウ・リン(ベトナム)「多言語コミュニケーション」を最重要キーワードとして研究しています。人は母語以外に1つかそれ以上の言語を使い他者との間に複数チャンネルを持てば相互理解はより深まるという考えが根本にあり、この観点から言語現象を科学的に解明することを使命と考えます。自然に異なる背景を持つ人々が集まり、研究室内で使われる言語は10を越えます。●中学3年生の時に第3言語として日本語を選択しました。日本語はスリランカの言語シンハラ語と語順が一緒で勉強しやすく自分の気持ちを伝えやすいと感じ日本語の勉強を続けてきました。この研究室では日本語に多い擬音語・擬態語の表現をどうシンハラ語に翻訳するか研究しています。2つの言語の共通点、相違点を研究していきたいです。国費研究留学生ウダーニ・バーラスーリヤ(スリランカ)● 学生から国際学部 途上国経済発展論国際学部 途上国経済発展論 阪本ゼミ教育学部 運動生理学研究室工学部 機械システム工学科 熱流動解析研究室室 ゼミ論ゼミ物学研究室国際学部 国際学科国際学部 国際学科 吉田研究室国際学部 国際学科 吉田研究室学科 吉田研究室吉田研究室学科 吉田研究室●研究室では日本人学生と留学生の区別はありません。共通語は日本語という約束事はありますが、学問のやり方自体は国際的に通用するものが重要ですので、研究では国際標準と言えるものを追求しています。留学生は日本語が母語でないため研究者としては日本人に比べ弱い立場にあると考えがちですが、まったくそうではなくて、日常的に日本語を使っている日本人には見えない部分、気づかないことがかえってよくわかることがあります。留学生には、そこを強みと考えて研究を進めてほしいとよく話しています。様々な国の人と接すれば、自分の固定観念がぶち壊され、これまでとは違うものに関心を持ったり、視野を拡げたりするきっかけになると考えます。このように、多様性を重視する環境の中で、自分自身の独自性や自分とはどういう人間なのかということに、あらためて気づいてほしいですね。大学院地域創生科学研究科1年王亜東(おうあとう/中国)

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