宇都宮大学広報誌 UUnow 第51号
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3●UUnow第51号 2020.11.20だから、もっと自由に働く環境が大事じゃないか」ということです。ゼネコンで学んだことはその会社のためにしかならない。ところが自ら新しい事業を始めてみると、それは自分のためであり組織のためであり、そして街づくりを通して世の中のためになるということを感じられたのです。■若い人の豊かな発想を形に変えてあげることが大人の仕事会社の成長とともに経営の本質というものをもっと学びたいという意欲が生まれてきました。経営を学問としてきちんと学ばないといけないと考えたことが大学院に入学したきっかけです。宇大で学びたかったことは自分のアイデアからイメージした経営のマネージメントの仕組みを形にすることでした。博士論文のテーマは「感性的観点に基づく企業経営者の定性的な調査分析手法の一試案」(※)です。私はベンチャー企業がどんどん出てくることを期待しています。アントレプレナー=起業家を育てるというのは、ではないか、だから共感してくださる方が大勢いたのだろうということを感じます。大学院では特に春日正男名誉教授(現)と佐藤美恵教授にご指導いただき感謝しています。今若い人たちに伝えたいことは、「人生に決まり事なんてない。だから、自分が歩むべき道は自分で探しなさい」ということです。社会でいろいろな道に迷ったりするわけですが、始めから人間が歩むべき道なんてないのです。自分が歩んできたことこそが道なのだから、誰かに反対されたりしても悩む必要なんてない。やってだめならすぐに戻ればいいんです。我々の時代はまだまだ親の力とかが強くて反発できませんでした。今は自分の好きなようにいろいろなことができる時代だと思います。自分はこういうことをしたいということを明確にしたら、自己判断と自己責任でそれをやり通せばいい。自分がやりたいことのためのその人の持っている発想力を大事にするということです。感性を大切にする手法を使えば可能性のあるベンチャーを的確に評価できると考えました。若い人の豊かな発想を形に変えてあげることが我々大人の仕事であるし、そういう機会を提供することが大切だと思います。実際に学んでみて感じましたが、宇大にはそういう環境があります。■地方再生のキーワードは新しいものを生み出すタレントの育成大学院時代の若い学生との交流は刺激的でした。私が感じたこと、考え方を彼らがどういうふうに受け止めているのか。中には批判もありましたが、すごく面白く感じました。ビジネスに対する鮮度はひょっとしたら今が一番かもしれない。社会が何に共感するかということに敏感に反応できるのも大学院で学んだことが大きい。なぜ私が経済同友会の筆頭代表理事に選ばれたのかを考えた時、やはり宇大で学んだことが言葉の一つ一つにインパクトを与えているからトヨタウッドユーホーム㈱管理本部・経営企画部長 堀江則行さん(写真左)中津会長が大学院在学中、仕事と学業の両立をサポート。現在、本学大学院に籍を置き感性的観点を活かした都市の評価、都市の在り方を研究。「大学時代は学ぶことの大切さを全く理解していませんでした。今になって学ぶことの面白さが分かってきました。学びたい時期に学べる環境をいただいたことに感謝しています」と堀江さんは話しています。勉強を先生方に訴えて、それを最後まで頑張って押し通すくらいの学生が私はいいと思います。大学にはそれを受け入れることで化学反応が起きて、豊かな発想を持てる人間、クリエイターを輩出することを期待します。私が〝発想〟というものを大切にするのは、地方再生のキーワードの一つにタレントを育成することが挙げられているからです。新しいものを生み出す才能ある人間を見出すこと、育てること、社会に輩出すること、それが大学の役割だと思います。※従来の貸借対照表や損益計算書などの定量的な要因評価手法に加え、企業経営者の資質や取り巻く環境などあまり注目されてこなかった人間の感性的観点に基づく定性的な評価手法に注目し、より的確に企業や経営者を評価できる手法を提案。これを利用して経済の活性化や起業の際の支援判断に寄与することを目標とした。■取材後記OB.OG.インタビューは、本来なら学生レポーターが同行し取材を行っていましたが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、今回は学生の同行を見送りました。しかし、トヨタウッドユーホームの堀江経営企画部長は、現役で宇大に通う社会人ドクター。取材にも快くご協力いただきました。コロナ禍で取材に応じていただきました中津会長はじめトヨタウッドユーホーム(株)の皆さまに深謝いたします。

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