宇都宮大学 農学部 2019
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附属施設自然・環境との共存・共生・保全を目指した食料生産及び生物生産を科学する実践フィールド附属農場 附属農場は、総面積101haの広大な敷地に、水田、普通畑(ムギ、ダイズ、ソバなど)、野菜畑(ハクサイ、ダイコン、ネギなど)、果樹園(ブドウ、ナシ、リンゴなど)、施設園芸用(シクラメン、観葉植物などや養液栽培のトマト、キュウリ)の温室やハウス、飼料畑(牧草、飼料トウモロコシなど)、さらに広大な放牧地等があり、約60haを耕作地として利用しています。これらの教育研究環境を効果的且つ効率的に活用するため作物、園芸、畜産、機械・土地利用の4分野が協力し、生産性の向上、省力化、効率化を基盤とし、環境保全型・循環型生物生産システムの構築を目指した農場運営を実践しています。研究成果として、国立大学法人としては初の本格的主食用水稲品種「ゆうだい21」を開発し、おいしいお米として話題になっています。 このような理想的な教育研究環境で農学部全学生は1年次にコア実習を履修し、2年次以降にも、様々な専門実習や卒業論文や修士論文作成のための実験・研究の施設として活用されています。また、フィールド教育分野の全国共同利用拠点として文部科学省の認定を受け、首都圏近郊の大学と連携した教育カリキュラムを実施しています。さらに、大学ブランド米「ゆうだい21」や農場産生乳を原料としたフレッシュチーズなど、オリジナル商品の開発を積極的に行っています。森林と人間との多様で持続的な相互関係に関する科学の実践フィールド附属演習林 附属演習林は、標高260~600mのヒノキ・スギの林業地域に設定されている船生演習林(538ha)及び日光国立公園内の標高1,390~1,970mに位置し、天然林としては主にミズナラ、シラカンバ、コメツガなど、人工林ではカラマツなどが生育している太郎山地区と戦場ヶ原地区の2地区から構成されている日光演習林(208ha)からなる教育研究施設です。 2つの演習林は、立地環境条件や森林構成などを異にし、多様な森林生態系を有しています。この特徴を生かし、森林に関する基礎的・応用的な調査・研究が行われ、学生が実習・実験を通じて森林を対象にしたサイエンスの総合的な体系の理解を深める実践フィールドとして、活用されています。特に船生演習林は、保有している各種の高性能林業機械の操作を行う学生実習も実施しています。 附属演習林は、「緑の循環認証会議(SGEC)」森林管理認証を取得し、持続的保全管理に基づく体験的教育を通じて、森林・林業に関する専門家の育成、新たな森林管理論と高度な実践的技術の普及、最新情報の発信によって社会に貢献します。日光演習林: 太郎山を望む船生演習林:学生実習(植林)森林科学科森林と林業・林産業について実践的な専門家(フォレスター)を養成する東京大学大学院理学系研究科附属植物園日光分園勤務清水 淳子茨城県 茗溪学園高等学校卒業平成15年度森林科学科卒業 私は東京大学日光植物園で園の維持管理、絶滅危惧植物の保全の仕事をしています。宇都宮大学の魅力は、南方系から北方系の植物、低地帯から高山帯の植生が日帰りの範囲にあり、森林を実学として学べることです。先生方から現場で教わり、仲間たちと山を歩いて得た経験が、今の仕事に繋がる大きな強みになっています。在学中はサクラの腐朽病害の研究を行い、念願の樹木医の資格を取得し、現在の仕事でもサクラの系統保全に力を入れています。宇大で学んだ実学を実践し、植物を育て未来へ伝える役割を担っていきたいと思っています。卒業生からのメッセージ〈取得可能な資格・免許〉 ●技術士補(修習技術者) ●測量士補 ●樹木医補 ●林業架線作業主任の受験資格 ●高等学校教諭一種免許状(農業) ●造園施工管理技術士(1・2級の受験資格年数の短縮)森林と人間との多様で持続的な関係の構築をめざす1年生農学部コア実習(演習林での枝打ち)基礎実験(樹木のDNAの抽出)3 年生森林立地環境学実験実習(演習林での森林土壌断面調査)森林科学では、林業、林産業、森林環境、自然環境保全などの専門技術者(フォレスター)に興味がある人を待っています!誕生間もない子ウシへの哺乳実習ウシと学生がスキンシップを深める実習ブドウの結実管理実習(ジベレリン処理)農場で収穫したソバを使ったそば打ち実習機械を使った水稲移植実習

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