宇都宮大学 研究シーズ集 2021.09
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ライフサイエンス、環境作物根系およびアーバスキュラー菌根菌の機能や発育に関する研究作物栽培、根系、アーバスキュラー菌根菌日本作物学会、根研究学会、日本農業気象学会農学部助教神山拓也生物資源科学科植物生産環境学研究室URL: Mail: koyama[at]cc.utsunomiya-u.ac.jpこうやまたくや2018年8月更新研究概要(社会活動特許等取得状況産学連携・技術移転の対応等)社会貢献等今後の展望(特徴と強み等)教育・研究活動の紹介普段見ることのできない土壌中の根とアーバスキュラー菌根菌の機能や発育に着目して、圃場から実験室レベルで研究を進めています。分野研究テーマキーワード所属学会等特記事項根箱・ピンボード法とは、根箱に伸長した状態の根系を2つ折りのシートに挟みこむことで、根系の配置や構造を破壊せずに採取、かつ、標本として保存できる土耕系での唯一の手法です。私はこの方法を容易かつ正確に行うための装置の開発に携わりました。この手法は根系とその周辺環境を調査するための標準的な方法として世界に普及する可能性があり、現在、農研機構および企業と協力して、特許化と製品化を進めています。作物の地下の世界を「見える化」していくことで、植物および土壌の診断技術の開発に貢献したいと考えております。・吉留克彦,神山拓也.2018.植物の根系採取装置及び植物の根系採取方法,特願2017-247875,2017.12.25,特開2018-042574,2018.3.22.・吉留克彦,神山拓也.2016.植物の根系採取装置,実願2016-004405,2016.9.9,実登3207600,2016.10.26.TEL:028-649-5016FAX:-①根系画像データベースの作成現在、化学肥料の投入量を減らしても収量を持続的に得るために、作物の地下部形質の改良が求められています。しかし、地下部形質の評価には膨大な時間と手間がかかります。そこで、本研究室では、容易かつ正確に、根系の配置や構造を破壊せずに、採取・保存できる根系採取装置を開発しました(図)。現在、これらの画像データを用いた作物根系のデータベースの作成を行おうと考えています。また、圃場においても、根系を容易に採取するための手法の確立に着手しています。②根系構築構造とAM菌の感染部位の「見える化」アーバスキュラー菌根(AM)菌は外生菌糸による植物の養分吸収域の拡大によって植物のリン吸収を助けることが知られています。そのため、AM菌を有効活用できる植物品種を育成することで、枯渇が危惧されるリン資源を効率的に利用できる可能性があります。現在、本研究室では、化学発光を利用してAM菌感染部位を画像として「見える化」する技術の開発に着手しています。この手法の開発により、根系全体に占めるAM菌の感染量が多い品種を正確かつ迅速に選抜できる技術の確立を目指します。118

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