宇都宮大学 研究シーズ集 2021.09
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植物分子生理学、植物遺伝学、分子育種学、ライフサイエンス・植物の成長や環境ストレス応答における分子機構の解明・乾燥ストレス耐性植物や作物の創出・植物の成長やストレス応答をコントロールする化合物開発植物ホルモン、植物のストレス耐性、種子発芽、植物代謝物分析、蒸散量測定、光合成測定、分子育種、品種開発日本植物生理学会,植物化学調節学会遺伝子判定、HPLC分析、LC-MS/MS分析、光合成測定装置准教授岡本昌憲植物化学遺伝学研究室URL:http://c-bio.mine.utsunomiya-u.ac.jp/okamoto/ Mail: okamo[at]cc.utsunomiya-u.ac.jpおかもとまさのり2017年11月更新研究概要(社会活動特許等取得状況産学連携・技術移転の対応等)社会貢献等今後の展望(特徴と強み等)教育・研究活動の紹介植物の成長や環境応答に関わる低分子有機化合物に焦点を当て、化学と遺伝学の両面から植物の生理作用を分子レベルで明らかにしていくことを目的にしています。分子遺伝学に適した小さなシロイヌナズナというモデル植物からコムギなどの実際の作物を研究材料として、乾燥、高温、塩ストレスなどの環境ストレスの分子応答を研究しています。また、得られた基礎的知見を応用して、分子育種や遺伝子工学を駆使して、耐乾性植物や作物の創出なども行っています。さらに、ストレス耐性を付与するような新しい植物成長調節剤開発などの応用研究も行っています。分野研究テーマキーワード所属学会等特記事項研究手法としては、遺伝子(DNAやRNA)解析に基づいて、植物や作物の形質を評価し、古典的な交配を通じて、遺伝的要因によって支配される形質特徴を理解します(分子遺伝学)。また、植物の生理応答(種子発芽、気孔の開口と閉鎖、成長速度、光合成や蒸散量やストレス応答など)を遺伝子レベルで解析します。光学顕微鏡、光合成測定装置、サーモカメラを用いて、精密に植物の生理応答を解析し、さらにHPLC、GC-MS、LC-MS/MS植物自身が生産する低分子有機化合物として知られる植物ホルモンは、微量で多様な効果があるために、広く農業に利用されています。植物ホルモンの作用に影響を与える植物成長調節剤の利用や開発を通じて、植物のストレス耐性や種子の発芽コントロールを目指しています。たとえば、乾燥ストレス付与剤は、観葉植物などへの水やり回数を減少し、管理の手間を減少させます。さらに、乾燥ストレス耐性や高い種子休眠性を持つ作物を開発し、食糧生産に貢献したいと考えています。米国特許登録SyntheticCompoundsforVegetativeABAResponses,US9345245TEL:028-649-5555FAX:028-649-5555バイオサイエンス教育研究センターなどの分析機器を用いて、植物が生産する生理活性物質や適合溶質を分析して、植物の生理応答と照らし合わせ、研究を進めています。また、遺伝子組換え、非遺伝子組換えに該当する化学変異誘発やゲノム編集などの遺伝子工学により、植物に新たな機能や性質を付与することで、遺伝子の機能を明らかにします。このように、分子生物学、植物生理学、分子遺伝学、遺伝子工学、化学分析を用いて研究しています。159

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