宇都宮大学 研究シーズ集 2021.09
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社会基盤・高強度プレキャストコンクリート・コンクリートのトレーサビリティ確保技術・セメントの水和反応モデルを用いたコンクリートの材料特性予測セメント,コンクリート日本建築学会、日本コンクリート工学会、日本鉄筋継手協会強度試験機、恒温恒湿槽地域デザイン科学部教授杉山央建築都市デザイン学科建築材料研究室URL: http://uuaudmat.sitemix.jp/index.htmlMail: sugisugi[at]cc.utsunomiya-u.ac.jpすぎやまひさし2017年4月更新研究概要(社会活動特許等取得状況産学連携・技術移転の対応等)社会貢献等今後の展望(特徴と強み等)教育・研究活動の紹介プレキャストコンクリートとは、あらかじめ工場で製造したコンクリート製品であり、壁、床、柱、梁などがあります。建設現場では、これらを組み立てるだけでよいので、工事の省力化、工期の短縮などのメリットがあります。近年では、高層RC造建築物の柱や梁に用いるため、高強度化したプレキャストコンクリートへのニーズが増えています。しかし、高強度プレキャストコンクリートでは、セメント水和熱の蓄積によって著しい温度上昇が生じるため、特異な強度発現を示します。そこで、私たちの研究室では、高品質な高強度プレキャストコンクリートを合理的に製造するための研究に取り組んでいます。分野研究テーマキーワード所属学会等特記事項プレキャストコンクリート工場では生産効率を高めるため、コンクリートを外部から加熱することにより硬化を促進させます。その一方で、コンクリートが硬化する際にはセメントの水和熱(反応熱)が発生し、特に高強度コンクリートの内部では著しく温度が上昇します。すなわち、高強度プレキャストコンクリートでは外部からの加熱と内部での発熱が複雑に作用します。さらには、これらが高強度プレキャストコンクリートの水分挙動や強度に大きな影響を及ぼします。そこで、高強度プレキャストコンクリート中の発熱、熱伝導、水分拡散の現象を数値解析によって予測するとともに、これらが強度に及ぼす影響を推定するシステムの開発に取り組んでいます。上記のほかにも、以下の研究を進めています。1)コンクリートに関する各種の製造履歴情報を記録したICタグをコンクリート中に埋め込んで保存するコンクリートのトレーサビリティ確保技術2)セメントの水和反応過程をシミュレートすることによって、コンクリート中の発熱、熱伝導、水分拡散の現象を数値解析によって予測するとともに、これらがコンクリート強度に及ぼす影響を精緻に推定するシステムの開発3)火力発電所で石炭を燃焼した際に排出される灰(フライアッシュ)のコンクリート分野における有効利用上記研究のほかにも、建築工事の標準仕様書策定(JASS5、JASS10、鉄筋継手など)にも深く関わっていますので、これらに関連した技術指導も可能です。TEL:-FAX:-高強度プレキャストコンクリート熱伝導セメント水和反応発熱・水分消費強度・温度・水分量セメント水和反応発熱・水分消費強度・温度・水分量水分拡散コンクリート要素Aコンクリート要素B硬化硬化加熱加熱加熱加熱加熱11

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