宇都宮大学 研究シーズ集 2021.09
20/186

海岸工学・津波遡上に関する水理実験,数値解析・海岸林を活用した津波減災・津波による防潮堤背後における洗堀津波減災,海岸林,Eco-DDR土木学会・2次元PIVシステム,電磁流速計,超音波変位計地域デザイン科学部助教飯村耕介社会基盤デザイン学科流域デザイン研究室URL: https://sites.google.com/site/wemuujp/ Mail: k_iimura[at]cc.utsunomiya-u.ac.jpいいむらこうすけ2018年8月更新研究概要(社会活動特許等取得状況産学連携・技術移転の対応等)社会貢献等今後の展望2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震津波以降,巨大な(レベル2の)津波に対しては複数の対策によって津波を段階的に減じていく多重防護による減災対策が必要となりました.その対策のひとつとして,生態系を活用した防災・減災を表すEcoDRR(Ecosystem-baseddisasterriskreduction)が国際的に注目を集めています.日本においては古くから海岸林が整備されており,その効果が再認識されています.また海外,特に発展途上国においては経済的な理由から長大な防潮堤の建設が難しく,比較的安価に整備が進められる海岸林(グリーンインフラ)による対策が注目されています.海岸林が持つ津波の浸水深や流速の軽減効果や漂流物の阻止,砂丘の育成効果については古くから指摘されている一方で,複数の構造物を組み合わせた多重防護下において,海岸林がどのような役割を果たすのかについてはまだ十分に解明されていません.本研究では,海岸林の津波減災効果とその限界について明らかにするために海岸林周辺の浸水深や流況,海岸林への作用力,防潮堤などの構造物周辺の洗堀現象について水理模型実験や数値解析により明らかにしていきます.分野研究テーマキーワード所属学会等特記事項津波減災効果を明らかにするためには海岸林周辺や背後地における詳細な流況が必要となります.現地調査による海岸地形や海岸林の規模の把握,水理模型実験や現地スケールによる数値解析により海岸林の評価を行います.特に数値解析については模型実験を用いて妥当性を検証しつつ,浸水過程における地形の変化や,海岸林の破壊・流失を考慮し,高精度化を目指します.UAVによる地形測量や海岸林調査,2次元PIVシステムによる詳細な流況把握など新たに導入された機器を用いながら,非定常の詳細なデータを得つつ,解析法の精度向上を進めていきます.TEL:028-689-6214FAX:028-689-6214アダンによる海岸林の様子(スリランカ)(特徴と強み等)教育・研究活動の紹介14

元のページ  ../index.html#20

このブックを見る