宇都宮大学 研究シーズ集 2021.09
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環境、ナノテクノロジー・材料・計測機能を持つ物質の開発とそれをキーマテリアルとする高性能分析法の開発・鉄鋼および鉄鋼関連材料の分析熱応答性高分子、金ナノ粒子、キレート官能基、生理活性物質、鉄鋼、スラグ、日本分析化学会、日本鉄鋼協会、日本海水学会、日本化学会HPLC(3次元吸光検出器,蛍光検出器)工学部教授上原伸夫基盤工学科物質環境化学コース計測化学研究室URL: http://www.chem.utsunomiya-u.ac.jp/lab/bunseki/Mail: ueharan[at]cc.utsunomiya-u.ac.jpうえはらのぶお2017年5月更新研究概要(社会活動特許等取得状況産学連携・技術移転の対応等)社会貢献等今後の展望(特徴と強み等)教育・研究活動の紹介金ナノ粒子と熱応答性高分子を主体とする機能性物質を用いて,計測機能を持つ物質の開発を行っています。粒子径が10nm程度の金ナノ粒子は分散状態では赤色を凝集状態では青色を示します。例えば金ナノ粒子に熱応答性高分子を複合化することにより,熱刺激で金ナノ粒子の色彩を制御できます。この原理を利用して,生理活性物質の色彩計測法を開発しています。(図1参照)また,社会貢献研究の一環として,鉄鋼および鉄鋼関連材料の構成成分の高性能分析法の開発についても研究しています。また,鉄鋼分析に関して高度な熟練技術を如何に継承するかというテーマについても取り組んでいます。分野研究テーマキーワード所属学会等特記事項分子の機能開発を研究のステラテジーにしています。化学的システムは時に個々の構成要素の機能の和を超える機能を発現します。たとえば,金ナノ粒子と熱応答性高分子といった異種の機能性物質を組み合わせることにより,新たな計測機能を開発しています。これまで研究室で積み重ねてきた思いがけない発見が本研究室の強みです。この発見に基づいて様々な高性能分析法を開発しています。鉄鋼分析については,溶液化学的な研究が衰退していることを逆手に,溶液化学に特化した鉄鋼分析法を提案しています。ナノサイエンスはひところのブームが落ち着き,実用を目指したテクノロジーへと向かっています。当研究室でも,機能性高分子を複合化した金ナノ粒子を新たな機能材料として開発していく予定です。溶液化学の成熟と機器分析の発展に伴って,溶液化学自体を研究する研究者が減少しております。しかしながら,多くの場合、化学現象には溶液が関与しており,溶液化学の分野は静かにそして着実に進展しています。今後,この領域で展開される研究にご期待下さい。技術移転希望項目・分離濃縮技術、高性能分析技術特許出願状況・特開2009-229147(色彩色差計測法及びそれを用いた計測装置)TEL:028-689-6166FAX:028-689-6166図1熱応答性高分子を被覆した金ナノ粒子を用いるシステインの色彩計測62

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