宇都宮大学 研究シーズ集 2021.09
86/186

ナノテクノロジー・材料・環境負荷低減を目指した金属材料の組織制御と高性能化・軽金属の摩擦攪拌接合と摩擦応用表面改質技術の開発アルミニウム合金、銅合金、チタン、結晶方位、集合組織、高温変形・高温強度、強ひずみ加工、摩擦攪拌接合(FSW)、ハニカム構造体、SEM/EBSD、組織制御、機械的性質、微細組織の定量化日本金属学会、軽金属学会、超塑性研究会結晶粒方位解析装置(SEM/EBSD)、連続繰り返し曲げ加工装置(CCB)工学部教授髙山善匡基盤工学科機械システム工学コースマテリアル工学研究室URL: http://malt.mech.utsunomiya-u.ac.jp/takayama_lab/Mail: takayama[at]cc.utsunomiya-u.ac.jpたかやまよしまさ2017年5月更新研究概要(社会活動特許等取得状況産学連携・技術移転の対応等)社会貢献等今後の展望(特徴と強み等)教育・研究活動の紹介研究室では独自の強ひずみ加工技術である「連続繰り返し曲げ加工(ContinuousCyclicBending;CCB)」を開発しました。図1は、ロール駆動型CCB装置です。CCBは、板材の表面を超強加工、内部を低加工し得る方法であり、その後の熱処理と組み合わせることにより、表面を粗粒層、内部を細粒層という傾斜的組織に制御することができます。また、表面の粗粒層は優先方位を持つことが明らかになっており、結晶方位制御技術としての可能性を検討しております。異種箔材の摩擦攪拌接合における接合条件の影響を系統的に調べており、Al合金/Ti、Al合金/Fe、Al合金/Cu、Al合金/Zr等の組合せについて良好な接合が達成されています。接合界面組織の高度な解析に基づき、接合条件の最適化を目指しています。分野研究テーマキーワード所属学会等特記事項金属材料の特性は微細組織と密接に関わっています。したがって、材料特性の高性能化には結晶粒微細化・結晶方位制御技術が極めて重要です。このような技術は、材料の使用環境だけでなく製造工程にも有効に働きます。30年以上の金属材料の高温変形と組織制御の研究実績を踏まえて、製品製造においてしばしば見落とされがちな加工時の材料組織や使用環境に合わせた組織制御に適切な条件を提示できます。また、結晶方位分布解析装置SEM/EBSDにより、結晶粒度、集合組織、粒界性格など基本的な材料組織パラメータの解析が可能であり、一部の条件では組織内部に蓄積されたひずみ分布状態の解析も可能です。一方、摩擦攪拌接合に関しては、摩擦攪拌による局所的な高温変形による組織変化を解析し、数10~数100nmオーダーの界面接合状態を調査することができ、接合界面組織状態に基づいた接合強度評価が可能であると考えています。連続繰り返し曲げ加工を中心とした組織制御技術は、特に高温変形と関わる耐応力緩和特性の向上に繋がる研究を進めています。今後、銅合金およびアルミニウム合金の特性向上が期待されます。箔材の摩擦攪拌接合については、厚さ100μmの箔材の接合パラメータを数μmオーダーでコントロールすることが求められ、また温度の制御も重要であることが分かっております。関連産業分野への応用の可能性を拓くご意見ご提案をお待ちしています。技術移転希望項目・組織制御技術・結晶方位解析技術・異材FSW技術TEL:028-689-6033FAX:028-689-6078図1連続繰り返し曲げ加工(CCB)装置80

元のページ  ../index.html#86

このブックを見る