宇都宮大学 研究シーズ集 2021.09
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ライフサイエンス、情報通信、製造技術、ロボティクス、人工知能・複数台移動ロボットシステムの産業応用(港湾物流、生産システム等)・自律移動ロボットのための経路・動作計画および集団群知能・機械学習法を用いた警備ロボットによる知的監視システムロボティクスと人工知能の技術を組み合わせたサービスおよび産業分野への応用(例えば、物流システム、生産システム、搬送システム、警備システム等)IEEE、日本ロボット学会、日本機械学会、計測自動制御学会自ら意思決定を行い移動することのできるロボットが、我々に提供し得る付加価値に焦点を当て、そのための知能モデルの開発に取り組んでいます。工学部准教授星野智史基盤工学科機械システム工学コース分散知能システム工学研究室URL: http://www.mech.utsunomiya-u.ac.jp/~hosino/Mail:hosino[at]cc.utsunomiya-u.ac.jp ほしのさとし2017年5月更新研究概要今後の展望(特徴と強み等)教育・研究活動の紹介我々は、人間の役に立つ知的なロボットシステムの創造を研究のメインテーマとしています。人間の役に立つということは、我々の思い通りにロボットが動けるということです。そのためには、ロボットにも人の気持ちをおもんばかれる知能が必要となります。また、人間の思考および動作は、我々が存在する環境からの影響も受けます。すなわち、人、ロボット、環境は、互いに影響を及ぼしあう関係にあり、これを相互作用と呼びます。そのため、環境にも知能が求められます。そして、3者の知的な相互作用を実現させることが、研究の課題となります。当研究室では、これら3つの知能の相互作用メカニズムを構成論的に解明し、その工学的応用を行っています。そして、人間にとって便利で快適な空間をどう作り出すことができるのか、そこにロボットというシステムを交えるとどのような効果が得られるのか、様々な視点から研究を進めています。分野研究テーマキーワード所属学会等特記事項21世紀になって開発されたSLAM(SimultaneousLocalizationandMapping)技術により、センサデータから自己位置の推定と環境地図の作成を同時に行うことが可能となりました。その結果、ロボットの自律移動が実現しました。そこで、次の技術革新を狙い、自律移動可能なロボットが我々に提供できる付加価値を考え、それを実現するためのロボットの確率論的知能モデルの研究に取り組んでいます。例えば、ベイズの定理を応用することで、不確実事象に対して確率に基づき思考・行動する知的なロボットを開発しています。また、近年最も注目されている深層学習(DeepLearning)を適用した物体認識技術の開発も行っています。これらの技術を統合することで、ロボットは「誰が何を求めているのか・何をしているのか」、すなわち人の内面状態を推察した上で行動することができるようになります。ロボティクスの技術は、ロボットに限らず「移動体」を扱った様々な分野に応用することができます。例えば、物体認識に基づいた思考そして行動の意思決定といったロボットの自律移動に関する一連の技術は、パーソナルモビリティと呼ばれる移動支援機器や、車の自動運転に適用できる可能性があります。2020年には、東京でオリンピックが開催されます。我々は、東京五輪成功の一翼をロボティクスの技術で担うこと考えています。具体的には、会場周辺の警備や案内、移動支援ロボットの実現を目指しています。そのためには、4年間のうちに実機のロボットを用いた社会実験を行うことが求められます。そのため、自治体との連携を深め、ロボットの実験特区を制定します。さらに、ロボットの実用化技術に関するノウハウを最大限に活かし、栃木発のロボットベンチャーへと発展させることも考えています。TEL:028-689-6053FAX:028-689-6053仮想環境人間仮想的なロボット82

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