宇都宮大学広報誌 UUnow 第53号
8/16

UUnow第53号 2021.10.20●8PROFILE2015年4月 宇都宮大学農学部農業経済学科入学。18年2月 第5回とちぎアントレプレナー・コンテスト最優秀賞を受賞。同年5月在学時(4年生)に株式会社アグクル設立。同年10月 栃木銀行のビジネスプランコンテストで優秀賞を受賞。19年3月 宇都宮大学農学部農業経済学科卒業。20年5月「とちぎ次世代の力大賞」奨励賞を受賞。■起業の原点は農業インターンシップ。米農家の厳しい現実を知る宇大在学中に農業インターンシップで、農薬や化学肥料を使わない米農家に1年間研修に行きました。米農家の現実は厳しく、消費者がお米をお米として食べているだけでは経営的に続けていくのは難しいことを知りました。私でもできる米農家を盛り上げる方法はないか。お米を何か違う形に変えて新たな需要を掘り起こせないかと考えました。そこでたどりついたのが米糀を使った発酵食品です。味噌や醤油などの発酵食品は毎日使われていますが、甘酒や塩糀など、まだよく知られていない発酵食品をつくれば消費者に新しい価値や喜びを届けられ、農家にとっては米の消費拡大につながると考えました。それが、今の事業を起こすきっかけでした。今年5月、アグクルの本社オフィスを東京に構えました。商品の販売だけではなく、お客さまとその先の関係性を築いていく事業を広く展開していくためです。会社設立から4年目、まだまだ課題はありますが、私の中では順調に進んでいるという感覚があります。私の思いに賛同し、アグクルという会社をもっと多くの人に知ってもらいたいと、事業を拡大するための投資をしてくださる方もいらっしゃいます。自分が世の中に対して提供していきたいビジョンを評価してもらえていると実感しています。■後悔しない選択。自分にとって最も心地よい生き方大学時代の恩師の忘れられない言葉があります。「何のために大学に行くのか、わかるか?」、授業中に問いかけられた言葉です。その時は何を言っているのだろうと思いましたが、その言葉をきっかけに、自分自身はどのように生OB.OG.INTERVIEW株式会社アグクル代表取締役小泉 泰英KoizumiYasuhide小泉さんを中心に、インタビュアーの大日方克行(左)と渡邊幸樹(右)(農学部アグリコモンズにて)本学農学部OBの小泉泰英さんは大学4年生のとき、米糀を使った発酵食品を製造販売する会社を宇都宮市で立ち上げました。今年5月からは新たな事業を開拓するため東京に本社オフィスを構えています。起業への思い、宇大発ベンチャー「アグクル」の挑戦について語ってもらいました。*インタビュアー:渡邊幸樹(農学部農業経済学科3年)、大日方克行(同学部森林科学科3年)日常生活にもっと発酵食品の文化を―宇大発ベンチャー「アグクル」の挑戦―

元のページ  ../index.html#8

このブックを見る