宇都宮大学広報誌 UUnow 第53号
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9●UUnow第53号 2021.10.20きていきたいのか考え、心から喜べるような人生を送りたいと思うようになりました。以前は両親や自分の周りの人にとって良いであろう選択をしてしまうことがありました。でも1回だけの人生、自分が絶対に後悔しない選択を常にしていくことが大事だと思います。自分で決めたほうが後々後悔しないし、自分にとっても楽しい人生になるはずです。私にとって最も心地よい生き方は、自分たちの世代だけではなく100年後も世の中に愛され続ける事業を社会に届けること。それは発酵食品を日常生活に取り入れる文化をつくり、未来に遺すことです。小さなことでもいいから、自分の手で今すぐやりたいと思いました。私たちはいま、発酵食品を若い世代のお母さんやお子さんに届ける事業をしています。若い世代で発酵食品の良さをわかっている方ていることです。本当にいい経験でした。今事業をする中で、アグクルの商品をどのようにお客さまに届けるかというところを中心に考えてしまうと、どうしてもお米農家さんなど原材料を供給してくださる方たちへの思いが薄れてしまいます。一番大切にしなければならない原点のようなものを私自身が見失ってしまいそうなときがあります。そういったときには農業の現場に足を運ぶようにしています。たぶんそこには答えがあり、この仕事をやり続ける原動力があると考えるからです。そう考えられるのも、私が宇大の農学部というところから発酵商品の事業を思いついたからで、歩んできた道のりが今につながっていると実感しています。■宇大時代の友人は自分が自分らしくいられる仲間卒業して社会人3年目になりますが、やはり宇大の友だちは自分が自分で居続けられる仲間だと思っています。アグクルも宇大の同級生と立ち上げました。人の入れ替わりはありますが、今も宇大時代の仲間が社員として働いてくれています。来年も宇大の新卒者が入社してくれる予定です。友だちから「なぜそんなに大学の先生や職員の方と仲がいいの」と、よく言われます。皆さんはアは多くはいません。発酵食品を日常生活に取り入れる文化をつくることができれば、若いお母さんたちはもちろん、その子どもたちも食べ続けるようになると思います。アグクルの商品を子どもたちが美味しそうに食べている写真や動画をいただくことがありますが、そのたび私はこのために仕事をしているんだと感じます。■仕事をやり続ける原動力が農業現場にある大学4年生のとき、農業経済学科の友だちと耕作放棄地を一から開墾し田んぼを復活させるプロジェクトに取り組みました。自分たちで作ったお米を食べられたこともそうですが、何より嬉しかったのが私たちが卒業してからも「せっかく大学生が開墾してくれたのだから」と、地域の人たちがその土地を田畑として使い続けてくれグクルを温かく応援してくださいます。だからこそ、たまに宇大に戻って、会社が成長している姿を先生や職員の方、大学の後輩たちに報告したいと思っています。日本独自の発酵食品を世界の人たちに届けたいし、せっかく20代の若さで起業したのだから世の中をガラッと変えるようなことに挑戦したいです。例えば太陽光や風力のように発酵を自然エネルギーに変えられたら楽しいし、世の中変わるだろうなと考えたりしています。実現できなくてもいい、挑戦することがすごく大事だと思います。 宇大発のベンチャーとしてスタートした「アグクル」が、世界から評価されている姿を見せられたらと思っています。アグクルの「ORYZAE(オリゼ)」シリーズ商品インタビュー後、農学部附属農場ブランド「うぶ」のセットを贈呈アグクルの東京都内の会社内。スタッフが販売促進の打ち合わせ中■今回のOB.OG.インタビューの様子が動画で見られます 宇 都 宮 大 学 宇 都 宮 大 学

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