手加工に頼るしか無い精密部品の仕上げ加工、円管の内面研磨、内面のバリ取りを実現できる新しい「磁気加工(磁気研磨)」技術の開発を進めています。図1のように円管の外側に磁極を設置し、円管内の磁性砥粒を磁気吸引します。ロボットを利用して高速回転する磁極を円管軸方向に移動させると、磁性砥粒は磁極の動きに追従し、曲がり管内面を精密研磨します(図2)。これまで本技術によって、厚肉円管内面の精密研磨、円管内面の溶接ビード除去、内面のバリ取りへの応用を実現してきました。また、「高分子材料の超精密加工」,「人工透析用注射針の精密バリ取り」、「超微細孔ノズルの精密内面研磨技術の開発」「電解を複合した磁気研磨法」を中心とした研究開発に積極的に取組み、新技術の開発に挑戦し続けています。教育・研究活動の紹介磁気加工技術とは、従来の「機械加工」に「磁気」を組み合わせた新しい加工技術であり、工具が届かない狭い箇所に対して精密加工を実現できます。宇都宮大学が創出した独創技術です。本技術は、①磁気機能性流体を利用した超精密内面磁気研磨に適用でき、厚肉(30mm)パイプでも円管の長さに関係なく内面加工が実現可能、②複雑曲がり管もOK、③高分子材料の超精密加工などにも応用可能、④超微細孔ノズルの精密内面研磨に適用可能、⑤各種非磁性材部品の内面磁気バリ取りにも応用できるなどの特徴があります。今後の展望現在、今回紹介した内容以外にも、「ナノメーター超精密表面創成磁気研磨技術」や「従来技術と磁気加工技術の融合」などに取り組んでいます。本技術の実用例として、種子島で打ち上げられたHIロケットの燃料パイプ内面の鏡面仕上げに用いられるなど実用化の事例も増えてきましたが、本技術が一つの新しい精密加工技術として確立されるように研究していきたいと思います。産学連携は、まず「産」を大切にすること、人と人とのより良い関り合いを作ることから始まると考えています。「人との関係」を大切にして企業の課題やニーズに応えていきたいと思います。社会貢献等特許出願状況・特開2016-052704(磁気研磨)、他7件(特徴と強み等)(社会活動特許等取得状況産学連携・技術移転の対応等)ー精密加工学,特殊加工学,砥粒加工学・磁気機能性流体を利用した超精密内面磁気研磨技術・高能率内面及び平面の磁気バリ取り技術の開発・超微細複雑形状部品表面及び超微細孔ノズルの精密研磨技術の開発研究磁気研磨技術,磁気バリ取り技術,超精密エッジ仕上げ技術日本機械学会、精密工学会、砥粒加工学会シュウエンカ2017年5月更新TEL:028-689-6057分野研究テーマキーワード所属学会等特記事項URL: http://www.mech.utsunomiya-u.ac.jp/pml/index.htmlMail: yanhua[at]cc.utsunomiya-u.ac.jp研究概要基盤工学科機械システム工学コース特殊精密加工研究室工学部教授鄒艶華
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