宇都宮大学 研究シーズ集 2022.04
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街の基盤となる社会インフラの経済評価、公共事業の評価(費用対効果)について研究しています。以前は社会基盤デザイン学科の前身である工学部建設学科建設工学コースの教員でした。学生時代の指導教員は土木計画学と経済学の学際領域を研究している人で、私は大学院では経済学研究科に所属していましたが、土木寄りの教育を受けました。宇都宮大学着任前はシンクタンクで国の公共事業評価マニュアルに関する仕事をしていました。最近は、地域住民が上手に賢くインフラを使うことでどれだけその価値が高まるかを研究しています。新設よりも維持管理が中心になりつつある中で、つくるための評価より、活かすための評価を模索しています。教育・研究活動の紹介地域デザイン科学部は文理融合の地域系学部です。その中でもコミュニティデザイン学科は、文理両方の受験生に門戸を開いていますが、どうしても教育内容は文系寄りになりがちでした。文系出身の学生が理数系のスキルを拒みがちなことと、それでもできちゃうことがコミュニティデザインの中にたくさんあったからです。私はこの状況に危機感を持ちました。文理複眼でのコミュニティデザインを考えられる人材育成を急がなければ、コミュニティデザイン学科は単なる文系学科になり、理系の建築、社会基盤の両学科と共にあることの意義、地域デザイン科学部の長所が消えていくことを心配したのです。そこで、2021年度から、「数学と理科に学ぶコミュニティデザイン」という科目を開講し、理系の知識やスキルをヒントにまちづくりやコミュニティデザインを考えてみることを学生に促しています。例えば、化学の金属結合の姿は、まちづくりに置き換えたらまちづくりの理想形っぽいよね、というような話をして、理系を含めたあらゆる学びを貪欲に自身の発想に取り込める、文理融合学部ならではの文理複眼人材の育成に注力しています。今後の展望賢く、戦略的に社会インフラや地域資源を活用するための、経済評価手法を研究しています。同じインフラでも、地域の状態、地域での使われ方によって、価値は変化します。ですが、公共事業評価の場面では、そのような活用の巧拙は考慮されません。人口減少下でのまちづくりやスマートシュリンクといった議論が増える中で、地域のくらしを守るために、どのような地域の在り方、どのような地域の取り組みを促し、社会インフラでそれを支えていくべきか。そういった議論に資する評価手法の開発につながればと思っています。社会貢献等国・自治体での公共調達に関する委員、自治体の地域公共交通に関する委員等他にも、森林整備、公共サービスの担い手確保、廃棄物減量化や自動運転車両の公共交通活用などに関して、その技術面というよりは、制度や運用面での議論のお手伝いをしています。(特徴と強み等)(社会活動特許等取得状況産学連携・技術移転の対応等)経済学・土木計画学・文理融合・公共事業の評価手法・文理複眼教育・戦略的インフラ整備のための評価手法開発費用対効果,便益計測,利他的効用,文理複眼教育土木学会学科の学生向けに公務員試験の数的処理の講座を始めました。さかたかずや2022年1月更新TEL:028-689-6220分野研究テーマキーワード所属学会等特記事項URL: -Mail: k-sakata[at]cc.utsunomiya-u.ac.jp研究概要SDGs事例地域デザイン科学部准教授阪田和哉コミュニティデザイン学科公共マネジメント研究室

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