宇都宮大学 研究シーズ集 2022.04
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図.微生物による難分解性土壌有機物の分解促進効果(プライミング効果)の概念図足元に広がる土が黒いのは、動植物や微生物の遺骸から生成した土壌有機物(腐植)が豊富に存在するためです。土壌有機物に含まれる炭素は大気中の二酸化炭素濃度を制御し、窒素・リンなどの栄養分は植物に供給し食糧生産を支える重要な役割を果たしています。畜産地帯における化成肥料の投入量を低減するには、難分解化した堆肥の窒素・リンを作物の需要に合わせて分解・放出させる技術が有効です。有機物施用は難分解性腐植の分解促進(プライミング効果)によって土壌炭素貯留量を減少させる一方で、増殖した微生物は難分解性腐植からも養分(窒素)を獲得できる養分“採掘”が期待できます。プライミング効果の定量やその微生物メカニズムの解明を通じて、土壌炭素貯留と養分供給を両立できる有機物施用方法を研究しています。教育・研究活動の紹介当研究室では、本学附属農場を始めとするフィールドとラボの両方で実験・調査を行い、研究に取り組んでいます。これまでの知見やラボ実験に基づいて得た仮説を持つことで、学生たちにも土を通して複雑なフィールドと地球を「見る」技術を培ってもらえるように努めています。今後の展望土壌有機物の分解・蓄積メカニズムを解明することで、持続的な食糧生産と環境保全を両立できる土壌の管理方法の提案を目指しています。社会貢献等・栃木県立博物館自然観察会:カレーに変身!米物語~土ってすごイネ(平井英明教授との共催)(特徴と強み等)(社会活動特許等取得状況産学連携・技術移転の対応等)自然科学,農学,環境,ライフサイエンス・火山灰土壌における有機物の分解促進機構に関する研究・耕地土壌における土壌炭素貯留に関する研究・資源循環型農業を目指した地域の未利用有機物資源の活用方法に関する研究埋没腐植,プライミング効果,土壌微生物,同位体トレーサー法,炭素・窒素循環,ゆうだい21,竹粉日本土壌肥料学会,日本生態学会,日本地球惑星科学連合等原子吸光光度計,イオンクロマトグラフィー,全有機炭素計はやかわちえ2022年1月更新分野研究テーマキーワード所属学会等特記事項URL: http://agri.mine.utsunomiya-u.ac.jp/hpj/deptj/plaj/Labo/Soil.htmlMail: chayakawa[at]cc.utsunomiya-u.ac.jp研究概要SDGs事例生物資源科学科土壌学研究室農学部助教早川智恵

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