アブラナ科植物の主要野菜である、ダイコン、ハクサイ、キャベツ、ナタネおよびカラシナなどを中心に、近縁野生種との種・属間交雑を行い、胚救済などのバイテクを用い雑種後代を育成することで、ゲノム、染色体およびオルガネラゲノムレベルで遺伝的に多様性を持つ系統を作出し(右図参照)、種苗メーカーがより経済的に高純度のF1種子を生産できるように‘雄性不稔系統を育成しています(売ってよし)。また、生産農家の過剰な管理コストを削減するために病害虫に強い品種を育成しています(作ってよし)。「健美食同源」といわれるように、食べ物は健康の源です。機能性の高い新型野菜を育成し、消費者の健康に寄与する研究を目指しています(食べてよし)。更に、様々なゲノム合成や異種染色体を添加した植物系統を育成し、光呼吸の制御による光合成物質生産能力向上という少々小難しい研究もしています。教育・研究活動の紹介当研究室は、アブラナ科植物における種・属間交雑の遺伝育種学的利用に関する研究を約80年間継続しており、小生で7代目になります。その間、上記の図に示す様々な雑種系統を育成してきました。最近は、チンゲンサイとワイルドルッコラとの雑種「香味菜AADD」および青汁ケールとワイルドルッコラとの雑種「香味菜CCDD」など新型野菜を育成し、品種登録出願を致しました。また、ハクサイなどにおける新たな雄性不稔系統を育成し、種苗会社に譲渡致しました。更に、根こぶ病抵抗性ハクサイやキャベツなどを育成するための中間母本を保有しています。今後の展望当研究室は、ダイコン、ハクサイ、キャベツ、ナタネおよびカラシナなどの異質細胞質系統を多数育成しており、これらを研究材料に用い、オルガネラゲノムと核ゲノムとの相互作用による雑種強勢に関する研究行い、作物品種改良における新たな育種方法を開発します。また、機能性新型野菜「香味菜」の品種改良を行います。社会貢献等技術移転希望項目・雌性配偶子由来DH-line育成技術(特徴と強み等)(社会活動特許等取得状況産学連携・技術移転の対応等)ーライフサイエンス、遺伝・育種、・アブラナ科植物の雄性不稔系統の育成・アブラナ作物の根こぶ病抵抗性系統の育成・アブラナ科植物における機能性新型野菜の育成・光呼吸制御による光合成生産能力向上に関する研究アブラナ科,種・属間交雑,遠縁交雑,バイテク,雄性不稔,根こぶ病,ハクサイ,ダイコン,キャベツ,機能性新型野菜‛香味菜‘,光呼吸,C3-C4光合成日本育種学会、日本作物学会、日本光合成学会バンサンウー2017年5月更新TEL:028-649-5448分野研究テーマキーワード所属学会等特記事項URL: http://shigen.mine.utsunomiya-u.ac.jp/plantbreeding/Mail: bang[at]cc.utsunomiya-u.ac.jp研究概要SDGs事例生物資源科学科農学部教授植物育種学研究室房相佑
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