宇都宮大学 研究シーズ集 2022.04
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建築分野の基幹材料であるコンクリートは、セメント、水、骨材(砂、砂利、砕石)などを混ぜて作り、時間の経過とともに硬化していきます。硬化過程ではコンクリート中の熱や水分が複雑な挙動を示し、また外気からの影響も受けるため、コンクリートの強度は条件によって異なってきます。このようなコンクリートの強度発現、発熱・温度履歴、水分拡散、さらに耐久性に関する研究を進めています。教育・研究活動の紹介コンクリートはセメントの水和反応によって硬化します。フライアッシュを混合すれば、そのポゾラン反応も関与します。そこで、これらの反応モデルを出発点とし、コンクリート中の発熱、熱伝導、水分拡散の現象を数値解析によって予測するとともに、これらが強度に及ぼす影響を精緻に推定するシステムを開発しました。このシステムを活用すると、要求性能を確実に満足したコンクリートを合理的に作ることができます。今後の展望建築材料には多機能化が求められており、次の研究にも着手しています。1)CO2吸収機能を有する植栽型コンクリート2)超音波を利用したコンクリート内部の欠陥探査技術3)高層建築物に用いる超高強度鉄筋の接合システム4)工場生産と現場施工を融合したプレキャスト複合コンクリート社会貢献等上記研究のほか、建築工事の標準仕様書策定(JASS5、JASS10、鉄筋継手など)やJIS制定にも深く関わっていますので、これらに関連した技術指導も可能です。(特徴と強み等)(社会活動特許等取得状況産学連携・技術移転の対応等)建築材料・施工・コンクリートの各種物性・耐久性・シミュレーション・建築施工の合理化・管理・カーボンニュートラル実現に向けた低炭素型建築材料セメント,コンクリート,鉄筋日本建築学会、日本鉄筋継手協会(前会長)、日本コンクリート工学会(前理事)強度試験機、恒温恒湿槽セメントの水和反応コンクリートの熱伝導・水分拡散・硬化シミュレーションすぎやまひさしFAのポゾラン反応2021年12月更新分野研究テーマキーワード所属学会等特記事項URL: http://kkneko.m17.coreserver.jp/index.htmlMail: sugisugi[at]cc.utsunomiya-u.ac.jp研究概要建築都市デザイン学科建築材料研究室地域デザイン科学部教授杉山央

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