宇都宮大学広報誌 UUnow 第54号
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環境に配慮した建築都市GBToo環境・エネルギーの側面から「絵になる都市づくり」を目指し、建築・都市を対象に、環境・エネルギー性能の向上とその評価について研究を行っています。       ■地産地消型の地域エネルギー利用奥日光エリアでは温泉熱のカスケード利用の仕組みに関する性能評価やチューニングのためのデータ検証を行っています。温泉熱を浴槽だけに使うのではなく、暖房や給湯などにも複合的に多段階的に利用することで、日光国立公園内で環境に配慮した宿泊施設の環境を構築することができます。奥日光エリアの人々が目指しているエコな山岳リゾートとしての日本のツェルマット(スイ世界的山岳エコリゾート地としてのポテンシャルを秘めた奥日光エリアス)へ向けた小さな第一歩を後押しする研究です。冷熱利用としては、宇都宮市大谷エリアにおける地下水を利用した食品の保冷・熟成や夏いちご栽培の自然の力で冷却するシステムの評価です。高温の夏季などにおいては、冷却のために電力を使い冷凍機により冷水を作る必要があり、高いコストやCO2排出の問題が生じますが、自然の力で冷えた地下水を使うことで、少ないエネルギーで付加価値のある農産物、食材を生産することが可能になります。捨てられてしまっている温熱、見過ごされてしまっている地下の冷熱を改めてエネルギーとして見出し、活用することで、CO2排出量を30〜40%程度削減することが可能です。こうした仕組みを導入するには、イニシャルコストなどの課題もまだまだありますが、捨てられてしまっている未利用のエネルギーは地域の身近な場所に大量に存在しています。こうしたエネルギーを工夫しながら活用することで、近い将来には、地域の特性を活かした一工夫あるカーボンニュートラルな場所が栃木のあちこちで見られると妄想しています。■建築物・都市のサステナビリティを測定建築都市の環境性能評価については、1996年から世界14カ国の研究者が参画した建物の環境性能評価ツールlの開発と評価の適用です。当時、グリーンビルやサステナブルビルといった新しい概念に基づく建物が造られつつある中、どのような建物が本当にグリーンで、サステナブルなのか検討する中で、総合的な観点から評価する仕組みが必要とされ、環境性能を客観的に評価する枠組みや評価項目、評価基準などの検討を行い、一つの評価ツールとして開発を行いました。建物を6つの評価領域(資源消費、環境負荷、室内環境、サービス、経済、マネジメント)から評価を行い、異なる評価領域の評価点を重み係数を用いることで、最終的に一つの得点として総合評価する仕組みです。建物の性能や特性を多面的に把握することができ、またグリーンビル、サステナ����地域デザイン科学部建築都市デザイン学科教授 横��尾�昇剛温泉熱の多段階的利用モデルPROFILE早稲田大学理工学部建築学科卒業、早稲田大学大学院理工学研究科建設工学専攻修士課程修了。 専門は建築環境・設備、都市環境。宇都宮大学工学部助手、講師、准教授を経て、2017年から現職。博士(工学)。地域デザイン科学部 教授横尾 昇剛UUnow第54号 2022.4.20●12

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