宇都宮大学広報誌 UUnow 第54号
8/16

本学工学部OGの赤羽千佳さんは「研究職で世界のフィールドで活躍したい」という子どもの頃からの「化学」への夢を実現するため、博士課程まで進学し、学びと研究を重ねました。現在、ライオン株式会社の研究開発本部で、夢の実現に向けて研究に没頭している赤羽さんに、その思いを語ってもらいました。■「化学」は夢のある分野■研究職で世界のフィールドで活躍したい夢は世界中の人々の歯を健康で美しく保つこと栃木県出身の私は、大好きな地元に滞在したいということと、学業に集中したいという気持ちで、宇都宮大学の工学部応用化学科へ入学しました。小学生の時に、家族と行った夏祭りで、私はいろいろな色に輝くサイリウムに目を奪われました。「いろんな成分が混ざると、きれいな色を出せるんだよ」と、お店の人が教えてくれました。そんな魔法みたいなことを起こせる世界に興味を持ったことが、化学への道を目指すきっかけとなったのです。私は「化学」は夢のある分野だと思っています。 大学時代は勉強に加えて資格取得にも励みました。当時、とにかく「井の中の蛙」になってはいけないという気持ちが強く、授業の課題に加えて図書館にこもって、資格取得に向けた勉強をしていました。当時は今ほどSNSも充実しておらず、情報が少なかった中で、まさに自分との闘いでした。また、研究室に入ってからは実験にも一生懸命取り組みましたが、分からないことがたくさんあり、本や論文を参考に、手探りの状態でいろいろなことを考えてチャレンジしていました。大学での研究の特徴は、純粋に学術的に自由な発想で、自分が考えたように研究を展開していけるところだと思います。研究の過程では様々な困難やプレッシャーがありましたが、それらとの闘い方を身に付ける良い機会だったと思います。修士課程の時に就職活動をしていた時期がありましたが、心の中では「大学でもっと研究がしたい」と思っていました。なぜなら、私が所属していた研究室には、社会人ドクターの方が何人もいらっしゃったので、企業でのドクターという資格の重要性を理解していたからです。またその当時、海外で研究職に就いてみたいという希望があったのですが、そのためには博士号は必須であるということを知ったからです。最終的に、私は研究職として世界というフィールドで活躍したいと思い、博士課程の進学を決めました。ライオン株式会社口腔健康科学研究所AkabaneChikaPROFILE2008年 宇都宮大学工学部応用化学科卒業。10年 同大学大学院工学研究科博士前期課程学際先端システム学専攻修了。13年 同大学大学院工学研究科博士後期課程システム創成工学専攻修了。博士(工学)。13年-17年 ライオン株式会社入社機能科学研究所配属。15年-16年 ドイツ マックスプランク研究所 バイオマテリアル部門。18年-現在 口腔健康科学研究所配属。20年-現在 口腔科学分野 硬組織分野テクニカルリーダー※写真は撮影用のため、保護メガネを外しています。学生時代の国際会議でのポスター発表の様子UUnow第54号 2022.4.20●8OB.OG.INTERVIEW赤羽 千佳

元のページ  ../index.html#8

このブックを見る