宇都宮大学広報誌 UUnow 第55号
11/16

● 研究室概要*写真撮影のためにマスクを外しています。藤浪 友理 教育学研究科専門職学位課程2年 松林 海斗 教育学研究科専門職学位課程1年 川角 智佐恵 教育学研究科専門職学位課程2年栃木県立聾学校勤務多様性を大切にする特別支援教育の視点をベースにしながら、さまざまな校種での授業の研究を行っています。授業研究では、実際の授業の中での子どもの姿を丁寧に見ることで、「子どもの学び」について考えていきます。また、授業研究を通して、教師がいかにして学んでいくのかという「教師の学び」についても研究しています。11●UUnow第55号 2022.10.20子どもたちはそれぞれ固有の気づきがあり、違った考え方をしていて、その子なりの言葉や態度で他者に伝えようとしています。友だちとの対話や教員との関わりによって学習を深めていける環境づくりの研究を進め、教育現場に出たときに「この学級の友だちと学べて良かった」と思える学級づくり、授業を実現したいです。令和6年度からは静岡県で小学校教員として働くことが決まっていますので、それまでの間、通常学級の中で多様な教育ニーズのある子どもたちが一緒に学び合える、信頼し合える環境とはどういうものなのか、さらにはそうした環境、風土を育むためにはどうすればいいのかということを研究したいと思っています。●所属は聾学校の教員です。手話や指文字等を使う聾学校の授業の中で、友だち同士や教員とのやりとりを通じて子どもたちが思考を広げ深めていく「対話的学び」をどう取り入れていくかということを研究しています。聾学校に赴任するまで20年以上特別支援教育に携わってきました。そのときに関わった子どもたち、保護者の方々に教えていただくことがたくさんありました。それまでできなかったことができるようになる喜びをみんなで分かち合えることが特別支援教育の良さです。感情を共有し合える教育を今後も目指していきます。●教育実習を通して通常学級でも特別支援のニーズを持つ児童がいることを知りました。一人一人に応じた支援が必要だと感じたことが司城先生のもとで研究しようと思ったきっかけです。● 静岡県の大学に在学中、卒業論文を書くにあたり参考文献として司城先生の論文に出会いました。静岡県の教員採用試験に合格していましたが、教育現場に出る前に司城先生のもとで学びたいと思い宇大の教職大学院に入学しました。 ●このゼミでの研究テーマは主に特別支援教育の考え方をベースにしています。しかしそれに限らず、もののとらえ方や感じ方、情報処理の仕方などが違う多様な子どもたちが一緒に学び合いをしていくための授業づくり、子ども同士や子どもと教師との関係づくりを研究しています。ゼミの学生には子どもの姿をよく見ることの大切さを伝えています。子どもに対し、表面的に先入観を持ってしまうのではなく、その子の行動からなぜそうした行動をするのか、どのような気持ちなのか、ということを考えて子どもの内面に向き合う姿勢が重要です。もともとの自分の研究の問いは「障害のある子は支えられ、助けられるだけの存在なのか」というものでした。実態はそうではなく、むしろ障害のある子もそうではない子も、お互い支え合い、学び合っていると感じています。お互いを大切にして、お互いから学び合うという特別支援教育の視点は、どんな場面であっても大切にされるべきことです。これからも教育に関わる方たちと一緒に子どもの姿に真摯に向き合い考えていきたいと思っています。司城 紀代美 准教授専門分野:特別支援教育、障害児心理学、発達臨床心理学授業科目:学部/知的障害教育特論、障害児発達臨床論、障害児教育方法学演習大学院/特別支援教育の実践と課題、特別な支援を必要とする子どもへの理解と対応、授業における個のとらえ方と対応  教育学研究科専門職学位課程教育学研究科専門職学位課程教育学研究科専門職学位課程教育学研究科専門職学位課程司城ゼミ司城ゼミ司城ゼミ司城ゼミ

元のページ  ../index.html#11

このブックを見る