宇都宮大学 入学案内 2022
100/118

国際学部を卒業して10年。小原一真さんは、フォトジャーナリストとして、大阪に日本の拠点を置きながらヨーロッパやアジアなどで精力的に取材活動や発表の場を持ち続けています。写真集としてのデビュー作は、3.11以降の原発作業員の実態を捉えた『Reset Beyond Fukushima』。事故後初めて原発内部で撮影された小原さんの写真は、欧米のメディアにも多数掲載されました。それから撮影の仕事が増えた小原さんは、世に認められる一方で、自分の中では、福島や日本の未来のことや表現としての写真をどう考えていけばいいかということなど、 命題を多く抱えるようになったと言います。そして、2015年には、これからの表現を考えるために、チェルノブイリに向かいます。1986年に発生した原発事故の数ヶ月後に、原発から100 キロのキエフで生まれた女性のインタビューと写真で構成した『Exposure』を発表。撮影には、事故現場近くで見つ宇都宮大学の卒業生から、キミへProfile写真家、ジャーナリスト2009年 国際学部国際社会学科 卒業小原 一真世界に自覚的に目を開き、その成り立ちを読み解いていく。自分の殻を破ってくれる人たちとの出会いをベースに意志的に自分の人生をつくっていこう。小原 一真|1985年岩手県盛岡市生まれ。2009年宇都宮大学国際学部卒業後に就職した金融会社を東日本大震災が起きた2011年3月に退職し、本格的に写真を撮り始める。2015年にロンドン芸術大学大学院修士課程を修了。フォトジャーナリストとしての活動の他に、講演や写真集制作のワークショップをヨーロッパ各国やオーストラリア、日本などで展開。写真集に「Reset Beyond Fukushima」(スイス・ラースミュラー出版社、2012年)、「silent histories」(スペイン・Editorial RM、2014年)「Exposure」(スペイン・Editorial RM、2017/18年) がある。http://kazumaobara.com2018年秋に埼玉県東松山市「原爆の図 丸木美術館」で開催された「小原一真写真展 Exposure/Everlasting」の関連トークイベント「写真の力が揺らいだ時代の写真表現とは何か?」より。かり縁あって小原さんの手に渡った1990年代の古いフィルムを使用しました。被爆したフィルムで撮影した、母の胎内で被爆し目には見えにくい障害を抱えた女性のポートレイトは、2016年に世界報道写真コンテストの「人物」部門で1位を受賞。また、大阪大空襲など戦禍に遭い障害を抱えた子どもたちの戦後をテーマに、いまは高齢になられた方々へインタビューと撮影を重ねて2014年に制作した『Silent Histories』は、同年の米TIME誌や、パリフォトのフォトブックアワードなどに選出されるなど、国際的にも高い評価を受けています。小原さんは一貫して、核、戦争、移民などのテーマにおいて「見えにくいもの」や「世界が忘れていこうとしているもの」に光をあてています。小原さんの活動のルーツを大学時代に探るお話を伺いました。interviewwith 3 graduates01Obara Kazuma

元のページ  ../index.html#100

このブックを見る