宇都宮大学広報誌 UUnow 第56号
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 申��惠媛�����助教Dano Jael Fuentes国際学科3年佐藤 美空国際学科2年専門分野:社会学(移民・エスニシティ研究、都市社会学)授業科目:学部/多文化共生基礎H(国際社会論)、人の国際移動、国際共生研究A(人の国際移動演習)、卒業研究準備演習、韓国朝鮮語基礎Ⅰ・Ⅱ●グローバル化の時代と言われて久しいですが、その一番の特徴は人の国境を越える移動です。そのかたちも多様になっていますが、実際にどのようなかたちで日常生活に現れてくるのか、というところまで見ていくことが国際移動を学ぶ意義だと考えています。学生たちには移動する個人の具体的な現実にも目を向けながら、移動が社会に与える影響やそれを支える制度なども併せて考えていってほしいと思っています。私の専門は移民・エスニシティ研究と言われる分野と都市社会学です。この10年ほどは東京の新大久保を対象に社会学を軸にエスニック空間の研究に取り組んでいますが、それを土台としながらも、広く日本社会を構成している要素として移民やエスニック・マイノリティを捉える視座を持ちながら授業に向き合うことを意識しています。昨年4月に宇大に着任して気付いたのは、多様なルーツを持つ学生がたくさんいるということです。自らの経験に引きつけて授業の内容を考えてくれる学生たちがいることで、ディスカッションも豊かになり、学生同士での学びも深まると感じています。そういう姿に触れ、多様なバックグラウンドを持つ学生たちが安心して自分の話ができるような雰囲気づくり、授業づくりを大切にしています。●私はフィリピンにルーツがあり、8歳のときに来日しました。自分のアイデンティティとの葛藤を経て、日本社会における移民・外国人問題に興味を持ちました。この授業では、自分の中で整理しきれていなかった移民の問題を体系的に学ぶことができました。また自分とは背景が違う人とどう関わればいいのか、生き方も含めて自分自身とどう向き合うべきかを教えてくれました。引き続き学ぶ予定です。ゼミや授業を通して多文化共生がどうあるべきか、自分の中で定義を見出したいと考えています。●中学生のときに海外留学し、人種差別を経験しました。それから外国人として生きることや国際関係に興味を持ち始めました。この授業は多様な価値観に触れることができ、大学に入って一番というほど興味深く授業に向き合えました。グループワークでは様々な背景を持つ人の考え方や価値観に接することで自分の考えをリフレクションできました。授業を通して本当の多文化共生のあるべき姿とは何か、という問いがさらに深まりました。これからも、その問題を探求していきたいです。*写真撮影のためにマスクを外しています。● 授業概要清本 まゆみ国際学科2年●国籍はブラジルです。小さいころから在留外国人として日本社会を見てきました。大学で、逆に日本人から見た私たち在留外国人について学ぶことで物事に対して多角的な視点を持つことができ、新たな発見があることを感じます。一つの視点しか持てなかったときに形成した偏見というものを改めることができました。私は日系4世です。4世は日本社会にかなり溶け込んでいる人が多いのですが、やはり日本人と異なるところがあります。その異なる部分に注目して勉強していきたいと考えています。この授業では、日本をめぐる人の国際移動について、多様な背景や移動経路、関連する政策の展開など様々な切り口から理解を深めます。基礎的な知識を学習するとともに、具体的な事例に注目するグループ発表に取り組むことで、グローバル化や多文化共生を身近な出来事として捉える視座の修得を目指します。※今回の授業「人の国際移動と日本」は、新年度から「人の国際移動」として開講されます。       ダノジャエルフェンテスグループディスカッションUUnow第56号 2023.4.20●10 国際学部国際学科国際学部国際学部国際学科国際学科  「人の国際移動と日本」「人の国際移動と日本」「人の国際移動と日本」

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