SDGs達成目標年次である2030年が近づいてきています。この2030年を超えて、我々は研究や教育としてどのようにSDGsに取り組んでいったらいいのか。その先、どのような未来を描けるのか。持続可能を担保する社会を、いかに普通にしていくのか。次代を担う若手研究者の皆さんに語っていただきます。まずは今取り組んでいる研究について聞かせてください。ています。今は、宇都宮市を対象にヒートアイランド現象、都市の温暖化を実際に観測して、実態を明らかにしています。今後、LRTが開通し、JR宇都宮駅東口の都市開発が進んでいく中でヒートアイランド現象がどう変化していくのか、興味があります。ます。土壌有機物が微生物によってどのように分解されているか、他方で土の中にどのように蓄積されるのか、この2つのプロセスの解明に取り組んでいます。土の有機物の量は、地球上で海洋に次いで2番目に多いのです。有機物の半分は炭素でできていますが、土壌有機物が分解して炭素が減るのか、あるいは蓄積して炭素を貯めていってくれるのか、ということが今後の気候変動に大きく影響す飯塚防災と国際協力について研松金飯塚昨年、留学生と日本人学生、るのです。究しています。SDGsと照らし合わせると災害の後、被災地域がどのように持続可能な復興をしていくかということがテーマになります。国際協力としてNGOや外国政府など外部からの支援が入るのですが、その期間は限られています。長期的にどのように持続可能な復興をしていくのか、地域の人たちがオーナーシップを持って復興にどう関わっていくか、ということを研究しています。SDGsの様々な取り組みに対する学生の向き合い方などで感じることがありますか。地域の方々が参加して留学生が多く住む国際交流会館から避難所ま 松金瀧本気象や気候を中心に研究し早川土壌学、土の研究をしてい■持続可能な社会をつくる■SDGsを単なるスローガンとせず、学びの実質化をUUnow第56号 2023.4.20●2生物資源科学科・土壌学研究室早川 智恵 助教農学部本学はSDGs(持続可能な開発目標)達成に向け、大学全体として取り組んできました。例えば全学生の必修科目「SDGs入門」や地域とのSDGsに関しての協力関係などです。SDGsの考え方は、本学が掲げる地域と共に創造する「共創」、多様な思考スタイルに触れ理解する「複眼」の視点という2つの目標にも欠かせないものです。開発目標達成期限である2030年が迫る中、次のステップに向け何が求められているのか。研究を通してSDGsに向き合う教員に語ってもらいました。松金 公正 副学長国際学部 教授 飯塚 明子 准教授留学生・国際交流センター共同教育学部 学校教育教員養成課程 自然科学系(理科)瀧本 家康 准教授座談会SDGs、2030年のその先の未来を描こう
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