宇都宮大学広報誌 UUnow 第56号
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瀧本■持続可能性を地域と共に■足元から世界を考える瀧本今の学生は将来の仕事に直中で災害の知識を得ていくことによって、年齢的に若く言語能力が高い留学生が支援される側ではなく、むしろ地域の方を支援する側の存在になることができると考えています。今後、留学生がさらに地域と結びつきを強めたり、地域に住む外国人との交流を深めていくというような活動も展開していければと考えています。結することにフォーカスを当てがちで、基礎的な研究はあまりやりたがらない傾向がある。私が専門の気候、気象学の基礎的な部分についても、面白さを伝えることに苦慮する場面もあります。そうした学問の面白さを知る機会がなかったのかもしれないと感じます。松金「共創」を掲げる本学にと飯塚私が専門とする防災は地域そういう意味で自分はそこをしっかり伝えて、地球の不思議さや面白さをきっかけに自分は何ができるか、ということを考えていってほしいと思っています。早川先生の話にも通じますが、地球上の二酸化炭素の量は大気全体で見ると微量ですが、その微量のほんの少しの増減が地球の環境を大きく変えるということに気付くというように、広い視野と多様な体験を踏まえて、今の状況を捉えてほしいと思っています。そこは「複眼」の視点にもつながるのかもしれません。って、我々が目指しているSDGsの先へ、地域とともにどのように歩んでいくのか、ということが大事になってきます。と連携しやすい分野だと思います。防災まちあるきもその一つです。これは大学が準備したプログラムですが、それに加えて新年度は、地域が実施している防災訓練に留学生や日本人学生が参加することを考えています。自分たちだけで地域の避難所に避難してみる。炊き出しの訓練に留学生がハラール対応の食事を作って参加してみる。そうした交流を通して地域の方が近くに住む留学生のことを知って留学生を支援したり、逆に留学生に助けられることにつながるかもしれないと考えています。都市の厳しい暑さの状況を明らかにして市民の健康維持につなげていければと思っています。環境省が暑さ指数を発表していますが、まだまだ市民にとって身近なものではないと感じています。また、宇都宮市全体で1カ所の数値しか提供されていないので、その数値が自分が住んでいる場所に適用できるかは別問題です。宇都宮市の中でもどういう場所が熱中症の危険度がより高いのか、住民の方にきちんと知っていただきたい。基礎的なデータを提供して都市住民の生活早川研究の成果は論文として発松金最後に2030年のその先早川例えば一筆の圃場に貯まっに役立てることができたらと考えています。表していますが、例えば水田から温室効果ガスが出ていることは一般的に知られていない状況ですので、一つ一つの情報を丁寧に発信していければと思います。研究の成果は農業につながっているということを知って、興味を持っていただく。そこから連携の話がスタートするのかなと思っています。に向けて、どういった方向で教育や研究を進めていくべきか、そして4月に入学する学生に向けてのエールをお願いします。ている炭素量を測ることで、世界中の陸域の土に貯まった炭素量が概算できるわけです。そういう自100%■■■■■■30■40%ヒートアイランド現象を観測する温度計の設置UUnow第56号 2023.4.20●420■40%■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■(■■■■■■2020)附属農場での温室効果ガスの測定

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