宇都宮大学広報誌 UUnow 第56号
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◇◇■ゆうだい21はができると思います。樋口自転車のロードレース大会の盛り上げと参加チームの「宇都宮ブリッツェン」を応援するため生産者仲間で、「宇都宮ブリッツェンファーム」を立ち上げました。「ブリッツェン米(ゆうだい21)」を海外から来日した方に無償で提供したり、地元の小・中学校の給食に利用していただいています。食育活動として田植え・稲刈り体験も実施しています。今後は、日本酒や甘酒など、ゆうだい21を活用した6次産業化の取り組みも進めていきたいと思います。◇◇長尾たゆうだい21の魅力とは。でおにぎりやお弁当にお薦めです。ブレンドする米の良さを引き出す懐の深い米だと感じます。大学にお願いしたいのは、まだ産地品種銘柄登録をしていない都道府県に登録のチャンスをいただきたいです。全国津々浦々で銘柄を取れば生産者、販売業者にとって心強い。また、収量安定の営農技術に関して大学のご協力をいただきたいと思います。冨田きた契約栽培は画期的な手法で、JAとしては成功事例として捉えています。世界的な食糧危機の時には消費者に美味しい米を確実に地元で開催される世界的な地域の流通販売業者から見冷めても美味しいということ大手米卸業者と取り組んで届けることが我々の大切な仕事になりますが、契約栽培は大きな武器になります。今は買い手市場ですが、需給が均衡し対等な立場で取り引きできれば契約栽培は素晴らしい取り組みになると考えています。長尾評価を受けていることが皆さんの話からもはっきりしたと思います。様々な課題も伺いました。私たちも、いかにして良い種子を届けるか、原種、原原種を守るかということに取り組んでいます。最新の情報や生産者から得た情報をインターネットなどを使ってできるだけリアルタイムで皆さんにお届けできるような栽培指導体制を作っていきたいと思います。その一方で、大学が学内外の英知を結集し、ゆうだい21の特性を残しながら次世代のゆうだいを開発していきたいと考えています。ゆうだい21の食味が優れた遠藤 五一 髙橋 行継遠藤農園ダイヤモンド褒賞受賞者白澤 健太 かずさDNA研究所先端研究開発部宇都宮大学農学部附属農場次長/教授 7●UUnow第56号 2023.4.20■敬称略■ ゆうだい21の分析結果コシヒカリの遺伝背景を持ち、染色体の少なくとも6カ所に外国稲のゲノム断片が入り込んでいる可能性があります。コシヒカリを栽培していた圃場に偶然、外国稲の花粉がまぎれ込んだことが考えられます。コシヒカリと外国稲の良さが、良食味で、倒伏しづらく、病気に強いゆうだい21を育んだと思われます。泉■功労者表彰、伝道師任命(記念撮影)■基調講演「ゆうだい21の普及に向けた取り組み」■ 招待講演 「世界に飛躍できるゆうだい21」宇都宮大学から生まれた品種が全国に波及していることをうれしく思っています。私は中国でも技術指導を行っていますが、中国にとってもゆうだい21は魅力的な米になるだろうと思っています。ゆうだい21が世界に広がっていく可能性があるのです。おいしいフェア会場前広場で、代表的なゆうだい21生産者のお米と附属農場の生産物を販売しました。模範となる先進的経営者、コンクール等で優秀な成績を納めた生産者、普及拡大の功績がある方などを「功労者」として表彰。また、ゆうだい21の知名度や美味しさを全国に広げる活動を担っていただく方を「伝道師」として任命しました。ゆうだい21戦略的普及プロジェクトで、大学の高い研究力を生かして構築された栽培データの収集解析を用いて生産者をサポートします。また販路拡大のため取り扱い業者や購入できる場所(小売店)の開拓を進めるとともに種子の安定供給に引き続き努力していきます。

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