環境調和型溶媒である水や二酸化炭素を利用した化学原料回収に関する研究を行っています。これらの溶媒を高圧である水熱条件や超臨界状態とし、温度と圧力を操作することで溶媒の溶解性・反応性を制御して、試料を低分子に分解して化学原料を回収します。バイオマス・廃棄物・重質油については、水熱処理を用います。また、イチゴ等の天然物からは、40℃程度の二酸化炭素を用いて有用化合物を選択的に抽出します。さらに、水素透過膜を応用した水素透過膜電極を用いた水電解により、水を水素供与源とした水素製造や選択的水素化についても研究しています。教育・研究活動の紹介高圧処理技術を20年以上継続して研究してきております。この間、水・二酸化炭素を利用した高圧処理について、基礎的研究から応用研究まで幅広い領域にて(物性測定・部分酸化・シフト反応・有機合成反応・触媒ガス化・有機金属錯体合成・おからの処理・重質油の処理等)研究を進めてまいりました。また、研究室としては膜を用いた分離・メンブレンリアクターによる反応分離も行っており、水素透過膜電極の利用はその一例です。膜に関する技術も利用して幅広い見地から最適な処理工程を提案できます。今後の展望高圧技術をより容易に利用していただくため、処理条件の緩和(低温化・低圧化)を進めており、さらに原料分解とその後の分離プロセスとの融合に取り組んでいる所です。具体的な適用例を見つけたいと考えておりますので、「含水性バイオマスから化学原料を回収したい」、「天然物から有用成分を抽出したい」、「水素化、ガス化処理などを行いたい」などのご意見を頂けますと幸いです。社会貢献等技術移転希望項目・ポルフィリン金属錯体の水熱合成・二酸化炭素を溶媒としたシストランス異性化特許出願状況・特許5823988(ポルフィリン金属錯体の水熱合成)・特許4512762(二酸化炭素中での有機合成)(特徴と強み等)(社会活動特許等取得状況産学連携・技術移転の対応等)環境、エネルギー、製造技術・水熱反応を利用したバイオマス・重質油・廃棄物からの化学原料回収、二酸化炭素を利用した天然資源からの有用物質の抽出・高圧流体中での各種処理(合成反応、分解、ガス化、水素化、表面処理)・水電解を利用した水素製造や水素化反応環境調和型溶媒,超臨界,水熱処理,高圧装置,選択抽出,酸化・部分酸化,ガス化,水素化,水素製造化学工学会(超臨界流体部会幹事、反応工学部会・反応分離分科会幹事)、石油学会、日本エネルギー学会、日本化学会、触媒学会<装置>各種高圧処理装置(反応器、抽出器)、分析装置(GC,TOC,XRF)さとうたかふみ2017年4月更新TEL:028-689-6159分野研究テーマキーワード所属学会等特記事項URL: http://www.chem.utsunomiya-u.ac.jp/lab/makuitoh/home.htmMail: takafumi[at]cc.utsunomiya-u.ac.jp研究概要各種高圧処理装置SDGs事例基盤工学科応用化学コース膜反応工学研究室工学部教授佐藤剛史
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