昆虫ウイルスを利用した組換えタンパク質の発現は、インフルエンザワクチンやパピローマウイルスワクチンの様にヒト用のワクチンとして実用化されているだけでなく、インターフェロンや減感作療法薬は獣医薬として利用されています。更に、様々な組換えタンパク質が診断薬として臨床検査等の分野で利用されています。私たちの研究室では、カイコバキュロウイルスとカイコを利用した発現系の開発に取り組んでおり、より発現量の優れたウイルス株の選抜や、培養細胞の無血清化、混入する植物ウイルスの不活化等に取り組んで参りました。また、培養細胞に混入する植物ウイルス様ウイルスの解析にも取り組んでおり、ウイルスの検出や宿主制御機構の解明といった基礎研究、及び新たなウイルスベクターの開発にも取り組んでいます。教育・研究活動の紹介昆虫ウイルスにも様々なウイルスがいますが、当研究室で主に取り扱っているのは、カイコに感染するウイルスです。カイコは数千年の間、家畜化されてきた昆虫であるため、非常に扱いやすく、また幼虫そのものが細胞の培養タンクの様な働きをしているため、10匹の幼虫でmg単位の組換えタンパク質量が得られるケースもあります。私たちの研究室では、ウイルス接種カイコを飼育するためのインキュベータや、大量のカイコを飼育するための飼育室、及び桑園、また、冬期には人工飼料育などにも対応しています。今後の展望昆虫ウイルスを用いた組換えタンパク質発現については、発現に最適なウイルス株を探索し、その実用化に取り組む。また、昆虫ウイルスは微生物農薬としても利用されており、その最適化についても検討を進める。組換えタンパク質の生産や昆虫ウイルスの高次利用に関する共同研究を希望します。社会貢献等社会活動(講座)・小中学生向け科学体験教室講師、高校生向けサイエンスキャンプ・SSH講師(教育用蚕卵、桑)・保育園や小学校への分与、飼育指導特許・カイコ由来培養細胞株(特許第6080068号)・RNAウイルスBmMLV陰性カイコ培養細胞株(特許第5546107号)産学連携・組換えタンパク質の発現(特徴と強み等)(社会活動特許等取得状況産学連携・技術移転の対応等)ライフサイエンス・昆虫ウイルスによる宿主制御機構の解明・昆虫ウイルスを利用した外来タンパク質発現系の構築昆虫ウイルス,バキュロウイルス,BEVS,組換えタンパク質,遺伝子組換え,変異導入日本蚕糸学会、日本分子生物学会、日本応用動物昆虫学会昆虫飼育用インキュベーター、昆虫飼育室、桑園いわながまさし2022年1月更新TEL:028-649-5454分野研究テーマキーワード所属学会等特記事項URL: http://shigen.mine.utsunomiya-u.ac.jp/insectbiotechnology/Mail: iwanaga[at]cc.utsunomiya-u.ac.jp研究概要SDGs事例生物資源科学科分子昆虫学研究室農学部教授岩永将司
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