宇都宮大学 研究シーズ集 2024.04
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反芻動物は人間が利用することのできない草をエネルギーに変え、肉や乳などのタンパク質を作り出すことのできる家畜です。近年、家畜生産において飼料価格の高騰や、飼料と人間の食料の競合、反芻動物の第一胃(ルーメン)由来のメタンが地球温暖化の原因となっていることなどが問題となっており、これらを解決することが持続可能な畜産に必要不可欠となっています。この問題を解決するため、私は人間が利用しておらず廃棄されてしまっている未利用資源の飼料化やメタン低減飼料の開発を目指し、研究を行っております。また、ルーメン微生物にも関心を持ち、研究を行っております。ルーメン微生物は飼料の消化や分解に大きく貢献し、反芻動物にとってなくてはならない存在です。これまでの研究により日本の黒毛和種のルーメン微生物叢が特徴的であることがわかりました。このことから、ルーメン微生物が黒毛和種の優れた脂肪交雑と関係があるのではと考え、その関連性の解明を目指し研究を行っております。教育・研究活動の紹介家畜飼料の栄養成分の分析はもちろん、反芻家畜を対象としたinvivo試験やinvitro試験による飼料の特性の評価を行う技術を有しております。また、次世代シーケンサーを使った微生物叢の解析も得意としております。今後の展望食品・工業副産物には栄養価値が高いものが数多くあります。これらの有用資源の飼料化を進め、家畜生産に貢献できる研究を進めていきたいです。また、ルーメン微生物叢の研究では、生産性や肉質の関係を明らかにし、生産性の低い個体の価値を高めるなどの技術に応用できれば、日本の肉牛生産、乳牛生産に貢献できるのではないかと考えております。また、日本ではルーメン微生物に関する研究はあまり進んでおりません。この分野をリードしていけるような研究を進めていきたいです。社会貢献等副産物などには有用なものも多く、大きな可能性を秘めております。もしかすると見つかっていない機能があるかもしれません。廃棄するのはもったいないです。ぜひ未利用資源の飼料化にご協力させてください!(特徴と強み等)(社会活動特許等取得状況産学連携・技術移転の対応等)ライフサイエンス、飼料学・未利用資源の家畜飼料化・反芻家畜用メタン低減飼料の開発・ルーメン微生物叢と生産性の関係解析反芻動物,飼料,ルーメン,微生物叢日本畜産学会、日本微生物生態学会・工場等から排出される副産物の家畜飼料化・細菌叢解析できます。さとうよしあき2022年7月更新TEL:028−649−5440分野研究テーマキーワード所属学会等特記事項URL: https://researchmap.jp/aki0514Mail: yoshis[at]cc.utsunomiya-u.ac.jp研究概要生物資源科学科栄養制御学研究室農学部助教佐藤元映

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