宇都宮大学 研究シーズ集 2024.04
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近年のバイオ研究や産業の躍進には目を見張るものがあります。固有の遺伝情報を保持するゲノムの解析技術は、次世代シーケンサーといった機器に代表されるようにデータの規模を拡大しながら日々前進しておりコンピュータを駆使したライフサイエンス研究は不可欠なものとなりました。本研究室では生命をデータサイエンスの視点から研究するバイオインフォマティクス(生命情報科学)という分野の研究をしております。ゲノムはそれぞれ固有の特徴を持っており、例えば農作物のゲノムの多くは複雑に入り組んでおり、遺伝子やゲノム科学の進展において問題とされてきました。植物におけるこうした複雑性は特にトランスポゾンという自分自身をコピーしたり、移動したりする遺伝因子に由来しています。興味深いことに、技術的な問題となるだけではなく、こうした特徴的な因子は増えたり動き回ることで、果実の形状や花の色味といった社会に重要な形質にも関わっていることが判明してきました。本研究室は、最先端の技術の利用や手法開発を通じてこうした対象の解析に取り組んでいます。教育・研究活動の紹介バイオインフォマティクス分野はライフサイエンスとデータサイエンスの双方を学べることから、今後の社会を担うような人材を輩出できる分野だと考えております。一方で、内容が抽象的になりがちなため、本研究室では実際に自分の手を動かす実習を重視しており、また他方で、実社会での応用を普段から意識した生命データの解析技術の習得と開発を行っております。習得した技術や経験を研究だけはなく、広く一般社会で役立てるよう目指しています。今後の展望最先端のゲノム解析技術とデータサイエンスの手法を駆使することにより、人材育成と並行して植物を中心とした未解明のゲノムや遺伝子の解明に取り組んでいきたいと考えています。ゲノム配列の取得や遺伝子の配列解析などの技術をお求めの場合は、一度ご相談いただければと思います。社会貢献等(社会活動特許等取得状況産学連携・技術移転の対応等)(特徴と強み等)バイオインフォマティクス、ゲノム科学・生命科学データの統合解析・ゲノムの繰り返し性を考慮した変異解析の研究ゲノム解析,バイオインフォマティクス,AI,機械学習日本分子生物学会、日本植物学会次世代シーケンサー等から得られるデータの解析が行えます。変異同定やRNA用試薬の性能評価など企業との共同研究や受託研究の経験も有しております。ふかさわよしのり2023年8月更新TEL:028-649-5456分野研究テーマキーワード所属学会等特記事項URL: https://c-bio.mine.utsunomiya-u.ac.jp/fukasawa/Mail: yoshinori.fukasawa[at]cc.utsunomiya-u.ac.jp研究概要バイオサイエンス教育研究センター情報生命科学研究室准教授深沢嘉紀

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