――実際に関わった仕事は?――学生時代に学んだことで生かされていることはありますか?――今後の目標、夢は何ですか?――宇大生にエールを■取材を終えた学生たちから然見かけたLRT(次世代型路面電車)「ライトライン」のポスターです。LRTが走る未来を魅力的に描いたビジュアルはもちろん、そこに込められたメッセージにも惹かれ、「これを作った人たちと働きたい」「私も自分の手で栃木をかっこよくしていきたい!」と感じ、今の会社に入社しました。線を紹介する「LIGHTLINE OSANPO BOOK」を制作しました。こちらからも構成やコンセプトを提案し、エリア別に沿線の魅力が分かる要素を取り入れながら、若い世代が手に取りやすい軽やかな雑誌風のデザインを目指しました。文章にも、今まきっかけは学生時代にまちで偶宇都宮市からの依頼でLRT沿で培ってきたまちづくりへの思いを込めました。交通の利便性だけでなく、地域資源が一つ増えるという視点で沿線の魅力を再発見していくガイドブックです。このガイドブックは(2023年8月の)LRT開業日までに間に合うよう、取材や撮影などのスケジュール管理に苦労しました。そんな中でも、宇都宮市担当者の熱い思いをデザインに落とし込むために、先輩デザイナーと「もっと軽やかになるように色を変えよう」「もっとエリアの雰囲気が伝わるように地域資源のイラストを入れたらどうか」というように、何度も話し合いを重ねました。妥協せずに制作の全過程をやり遂げ、ガイドブックを完成させたことで成長できたと思います。多くの人に手に取ってもらえましたし、SNSやネットニュース、新聞、テレビでも反響があり、達成感がありました。大前提として、デザインとは見た目をきれいにしつらえるだけでなく、課題解決へ向けて様々な人や資源をつなぐプランニングのようなことだと理解していることが大きいです。お客さまと打ち合わせをするときも、自分がやるべきことやゴールを明確に描くことができるような気がします。授業で常日頃行っていたプレゼンテーションは、当時は苦手に感じていましたが、今では仕事を受注するためのコンペティションで経験が生きています。人前で説明することもそうですが、課題解決へ向けて必要なことを論理的に考え、提案する力が身につきました。これからも地域を良くしていけるようにものづくりやデザインを続けて、自分が作ったもの、関わったもので栃木をいっぱいにしたいです。それが私なりのまちづくりの形です。また、自分のできることで宇大に恩返しがしたいという思いもあります。まちづくりに関わる仕事は公務員やNPOだけではありません。それに、地域デザイン科学部だけでもありません。他学部の専門分野が生かされることもあるので、好きなこと、やりたいことを通してまちづくりにトライしてほしいです。様々な活動にチャレンジすることで、仲間との出会いがあります。何をするにも一人では難しく、学部を超えて協力し合ってできたこともあります。大学時代の全ての経験が今の仕事に生きています。同じ学科の先輩が実際に地域の活性化に寄与する仕事をしていることに大変刺激を受けました。大学で学んだこと、サークル活動がいまの仕事に生かせていると聞き、自分自身もこれまでの経験を生かせる企業に就職したいと改めて感じました。■プレゼン、理論立ては学生時代の経験が生きる9●UUnow第58号 2024.4.20社内で同僚たちと打ち合わせをする野沢さんインタビューを受ける野沢さんと、木村 結菜さん(写真右)、保土沢 結梨さん(写真中央)
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