宇都宮大学 国際学部 2023
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英語音声学産業社会学東アジア国際政治音響音声学地域社会学文化人類学アメリカ文学一般言語学アメリカ文化研究教育学18▼01国際学部概要 f-matsu@cc.utsunomiya-u.ac.jpysd@cc.utsunomiya-u.ac.jpmalee@cc.utsunomiya-u.ac.jpyone@cc.utsunomiya-u.ac.jpyuzawa@cc.utsunomiya-u.ac.jplee.perez.fabio@cc.utsunomiya-u.ac.jp担当授業科目国際政治論 近現代中国論 国際政治論演習担当授業科目多言語コミュニケーション学A/B(基盤教育)LinguisticTypologyandLanguageCommunication日本語教育と国際協力演習松村 史紀 まつむら ふみのり国際政治の舞台では好戦的で権力闘争に長け、悪意をもった勢力ばかりが危機を引き起こすとは限らない。正義や平和をかかげた人間が期待を裏切り、愚行と悲劇に終わることもめずらしくない。国際政治の歴史を学ぶことは、悲劇を引き起こした犯人をさがし、論難することではなく、そのような恐怖のもとにおかれた人間を深く理解することにほかならない。いまを生きる人間は現代の価値観に基づき、事態の結末を知っているという優位な立場から過去の愚行を嗤い、厳しく裁くことに慣れている。それを「歴史の教訓」だと自負すれば、恐怖にかられた人間と対話する機会は生まれないだろうし、みずから現代の特権を享受しているという自覚さえめばえない。切迫した状況のなか、限られた情報と資源しか与えられない人間にどのような選択が許されたのか。この難題を考えることが過去の人間と対話するわずかな手がかりとなるだろうし、未来へのささやかな道標にもなるだろう。吉田 一彦 よしだ かずひこ 言語とコミュニケーションの本質は何か?ということを追究しています。相互理解と誤解の両方のメカニズムに関心を持ち、個々の言語現象を、類似の現象や他の言語と比較・対照し相対化してみる作業を大事なことだと考えています。日本語・フランス語・英語・タイ語・モンゴル語・中国語・ポルトガル語・スペイン語・ベトナム語など、複数の言語をみずから学び、多言語コミュニケーションの実践をとおして研究課題を見つけ、記述的にも理論的にも現象の解明と取り組んできました。 自分自身留学生として非常に有意義な日々を過ごしました。今でも昨日のことのように思い出します。また、機会に恵まれ、30以上の国を訪ね、おそらく100を超える国籍の人々と共同作業をしてきました。国籍や思想や歴史観、文化・社会背景が違う人間が共同作業し、互いをリスペクトし、自分が何者であるかを忘れるぐらい熱心に学び合える、そんな機会を大学での教育・研究活動をとおして実現したいと考えています。そして、これから世界に出て行く人のサポートとも取り組んでいます。担当授業科目東南アジア論 タイ都市社会論東南アジア論演習 外国語特別演習(タイ語)外国語臨地演習(タイ語)担当授業科目アメリカ文化論 アメリカ文学史アメリカ文化論演習Malee Kaewmanotham マリー ケオマノータム1980年代の半ば以降、日本にはアジアからの労働者が大量に流入しています。この背景には日本とアジアの大きな経済格差があり、アジア系外国人の多くは「不法」就労者として人権を保障されないままに日本社会の底辺で暮らすことになりました。私は日本とアジアの人々がお互いの違いを尊重しながら対等な関係を築くことが重要であると考え、外国人労働者の実態調査に取り組んでいます。また、母国であるタイでは、首都バンコクの地域調査を行っています。タイは日系企業の進出などにより業化が進み、バンコクと農村の地域格差が拡大しています。そして農村では貧困、バンコクでは人口集中による都市問題が発生しています。農村出身者の多くはバンコクでスラムを形成し、劣悪な居住環境での生活を強いられています。そうした恵まれない条件におかれた人々が自分たちの生活を守り、改善していくために結成するのが地域住民組織です。私は、この実態調査をとおして、住民の権利と自治を保障する望ましい社会開発のあり方を考えています。米山 正文 よねやま まさふみ私の研究対象は19世紀のアメリカ合衆国の文学です。他の国でもそうかもしれませんが、合衆国の場合とりわけ文学が国造りと関わってきました。18世紀末にイギリスから独立し新しい国家ができたとき、作家たちは地域・民族・階級で分裂していた人々に、新しい国の特徴や価値観を意識的に描いていきました。私の研究対象は、こうした作家たちの詩や小説のみならず、パンフレット、新聞記事、演説など文字にされたもの全般になります。ナショナル・アイデンティティーを構築しようという共通性とともに、こうした作家たちの中の多様性にも注目したいと思っています。それによって合衆国の形成されていく複雑な過程を追うのが私の目的です。担当授業科目PhoneticsandPhonologyPresentationandDiscussion私は、両親の国籍が異なり、幼い頃から複数の国家、言語、文化を跨いで生きる人々「ストレンジャー」の生き方を調査しています。「外国につながりを持つ人」、「ハーフ」や「移動する子ども」と称される人々の調査もしています。最近は、文化的背景が異なる人々が互いの持つ差異と向き合い、いかに友人関係を築いているのかを明らかにすることを目的とした研究に着手しています。ちなみに、趣味はサイクリングと怪獣フィギュア収集と映画鑑賞と料理です。担当授業科目文化人類学 民族誌学 スペイン語購読湯澤 伸夫 ゆざわ のぶお 英語の音声を分節音とプロソディの観点から科学的に研究する英語音声学が専門です。研究には音声を正確に聞き取ること,発音記号を正確に読めること,音声を正確に発音記号で書くことも重要な技能になります。単に本を読んで理解しただけでは済まされません。英語の音声の研究にはコンピュータによる分析は欠かせません。工学研究者の研究成果により今後ますます優れたソフトウエアが作られ,より精度の高い研究ができることを期待しています。 研究対象としている英語の音声は、基本的にBBCaccent(RP)とGAです。この他に,世界で使用されている様々な英語の音声もできる限り研究対象としたいと思います。日本人英語学習者が守らなければならない英語の音声の特徴の計量的な研究も進めたいと思いますし,将来的には学際的な研究を通して自動音声翻訳機の開発やTTSプログラムの改良にも挑戦したいと思っています。Lee Perez Fabio リーペレス ファビオ文化人類学は人の生き方を文化の側面から理解していく学問です。私は、ライフストーリーの交換という研究法で、この問題にアプローチしています。ライフストーリーは、その人が、生まれてから今日までの間に起きた出来事、生き方、物事に対する考え方や感じたことについての語りから、文化について考えます。私は、ライフストーリーを聞かせてもらうという行為には、「君のこと教えてよ」「じゃ、君のことも聞かせてよ」というように、相手にも自分のライフストーリーを聞かせるという相互関係があると思います。お互いのライフストーリーの交換を通して異文化の相互理解ができるんじゃないか?と考えています。

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