「ソーシャルスキル演習」は2年次学科必修科目で、世代や価値観の異なる相手と円滑に関係を結び、社会・地域課題の解決に向けて集団として効果的に協働するためのスキルを集中的に養成するものです。ここで獲得したスキルは、3年次に行われるまちづくりの現場などの現実社会の様々な場面で役立てることが期待されます。 この授業は、人とかかわる力、議論をする力、批判を受けとめる力といったソーシャルスキルを養成することが目的です。今、自分はどういうことができていて、課題はどこにあるのか、教員に一方的に評価されるのではなく、自分の力で課題を見出し次につなげていく力をつけることを授業では意識しています。このスキルについて、「持って生まれた資質」ではなく、スキルは養成できるものです。また、みんなの意見や考えをまとめるなどといった自分の得意分野を見つけるのも重要です。自分ができるコミュニケーションの形を見つけてください。 この科目では、学生に毎回のテーマへの賛否、その理由を事前に考えてもらい、授業では、テーマについて議論を行います。決して難しいテーマではなく、若者を重視した予算にするにはどうしたらいいか、まちの景観維持と開発とどちらを重視するか、大規模スーパーと商店街のそれぞれの良い点は何かなど、学生が身近に感じることができるものです。これらは、省庁、自治体が策定した法律、条例といったルールや予算に関わることであり、私たちの生活に影響するものです。 授業では、なぜ、このルールができたのか、誰が決めたのか、どのような利害関係者がいるのか、なぜ改正されるのかなど政策決定の背景やプロセスについて解説します。学生の議論から始めることで、公共政策と自分とのつながりを感じ、授業での説明への理解が深まるのではないかと考えます。この科目を通じて、学生が社会の課題などに関心をもち、4年間の学修に意欲をもって取り組むきっかけになればと思っています。コミュニティデザイン学科 授業紹介まちづくり論 石井 大一朗 准教授 あなたにとって、ありたいまちとはどんなまちでしょうか。授業ではまずそれをみなさん一人ひとりが描くところから始めます。 学生、子育て中のママパパ、一人暮らし高齢者…「ありたい」姿は千差万別です。まちづくりは、そこに住む人々が参画し、コミュニケーションを通して合意し、浮かび上がったありたいまちの姿に向けて一人ひとりが自分の力を生かし、地域の宝を紡ぎ組み合わせていかなくてはなりません。 まちづくり論では、こうしたまちづくりをコーディネートする人材が備えるべき基礎的な知識を修得します。まちづくりの歴史的背景を踏まえつつ、まちづくりの主体形成や合意形成について実際の事例をもとに学びます。そして特に、昨今の社会問題に対して必要となるまちづくりを創造できるようにします。高齢者のみ世帯の増加、困難を抱える家庭での子育て、空き家・空き地の増加、こうした地域では何が問題となるでしょうか、希望のもてるまちづくりは可能でしょうか。答えは必ずあると信じています。学生のみなさんとディスカッションしながら進めていきます。公共政策入門 三田 妃路佳 准教授Department of Community Design88ソーシャルスキル演習 白石 智子 准教授・若園雄志郎 准教授
元のページ ../index.html#8