宇都宮大学長 池 田 宰 宇都宮大学の最も重要な役割は学生の教育、人材育成です。そのために、「幅広く深い教養と高い専門性を身につけ、未来を切り開く人材を育成」することを方針に掲げています。その実現のため、基盤教育と専門教育を有機的に結びつけた優れた教育プログラムを通して、さまざまな教育の改革・改善を進めています。 教育は「キャッチボール」が基本で、こちらが投げたボールをしっかり受け止め、また投げ返していただく、お互いの積極的なやり取りが必須であると考えています。 本冊子は、我々がどのようなボールを投げているのか、つまり、本学における全ての学士課程の教育プログラムにおいて、どのような学生を、どのような教育によって、どのような人材に養成するかを記した“教育プログラム・シラバス”であり、本学が社会に対して明示した“教育の契約書”とも言えるものです。本冊子と、教科の学修内容および具体的な到達目標や成績基準を明示した“教科のシラバス”、学修・教育目標がどの教科によってどのように達成されるかを一覧表にした“確認マトリックス”を加えた三者を有機的に結びつけ、本学の教育の質の保障を“見える化”しています。 教育の質保証は、学生が何をどのように受取ったか、学生の視点によって測られるものだと考えていますので、学生の皆さんがどのような学びを身に付けたのかを実感し、確認していただくことが重要ですが、その前提として、大学が養成する人材像や、教育の道筋、そのために何を提供しているのか、等について明確にすることは、在学生はもとより、本学を学びの場として選ばれる受験生や本学の卒業生を人材として求めている社会に対しても、本学が果たすべき説明責任であると考えています。 また、授業のデジタル化やオンライン化は、今後の本学における教育改革にも大きく資するものであると考えており、オンライン授業やメディアの活用等も進めています。しかし、どのような授業形式であれ、本学における教育の理念、方針、目標に変わりはなく、その質の確保もしっかりと行っていきます。 本冊子が、本学の教育プログラムを正しくお伝えする役割を十分に果たすと共に、今後の本学の教育改善の中で、さらに内容が充実したものに進化していくことを願っています。
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