宇都宮大学広報誌 UUnow 第60号
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右側のシルエットや装飾、照明映え(ピアノ演奏は横を向いて座るため)衣裳部屋(一部)私のこだわり2新企画ドレスの重量(遠方での演奏会)ワイヤー入りパニエ(歩きやすく、ペダルを踏みやすく)平井先生・・・!?平井先生・・・!?ファスナーの位置は横に(早着替えしやすいように)写真映えお手紙に先生のドレス姿が…!上半身は編み上げ仕様ウエストは細め裾はふんわりとしたプリンセスラインビスチェタイプのドレス(2歳から続けている水泳の 影響でいかり肩のため)本学ホームページでは、平井先生の言葉で綴られたステージドレスへのこだわりや微笑ましいエピソードの全文を掲載しています。床や舞台背景と同化しない色本学の教員の「個人としてのこだわり」に焦点を当て、研究室の外での意外な一面を紹介します。平井先生の平井先生のドレスのこだわりドレスのこだわり私 と 音 楽 とステージド レ ス 演奏家である私にとって音楽の質の高さは当然のことですが、ステージドレスはお客様をさらにその先の素晴らしい芸術の世界へと誘い、幸せにできる魔法の仕事着であると考えています。 初めてドレスを着て演奏会に出演したのは2歳の時でした。祖父・平井康三郎(作曲家)主催のコンサートで、父・丈二郎(ピアニスト)が作曲した「うさぎのメヌエット」をピンクのドレスで演奏しました。 大学3年生の学内演奏会で、初めて本格的なステージドレスを着用しました。まるでシンデレラのようなロイヤルブルーのドレスは、難解なオール・スクリアビン・プログラム※を華やかに彩ってくれました。大学卒業後は大学院と並行して私立中高で教員もしていましたが、そのお給料の大半はドレス代だったように思います。それでも、プログラムの雰囲気に合ったドレスは重要なので、色やデザインにこだわってドレスを増やしていきました。 2012年には内閣府から「世界で活躍し『日本』を発信する日本人」に選出され、国内外での演奏会が一層増えました。特に文化庁主催のこども向けのコンサート「Dr. りえのおしゃれなクラシック」の依頼を多くいただくようになりました。子どもたちはドレスに目を輝かせ、ワクワクした表情を見せてくれます。衣裳部屋でプログラムにふさわしいドレスを選んでいる時間は、私にとって至福のひと時です。ステージに登場した瞬間のお客様のキラキラした瞳と歓声。ステージは、私にとって特別で、心から嬉しく、幸せな場所。そしてコンサートの感想文に、ドレスのイラストが描かれていた時、超絶に幸せを感じるのです。共同教育学部 音楽分野准教授 平井李枝※スクリアビン:19世紀末から20世紀初頭にかけて活躍したロシアの作曲家。 作品は高度な技巧と繊細な表現力を要求されることで知られています。東京藝術大学ピアノ科卒業。グラナドスに関する学位論文とリサイタルにより音楽博士の学位を取得。作曲家としても活 躍 し て お り 、ピ ア ノ 曲 や 校歌、合唱曲など40曲以上を発表。2014年から宇都宮大学教育学部専任講師。2020年9月から現職。

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