□1□01 国際学部概要第13巻第14巻第15巻第16巻第9巻第10巻第11巻第12巻髙橋若菜編著、清水奈名子、阪本公美子他 315頁日本経済評論社/2022年3月揺らぐ被ばく防護基準、住めないふるさと、避難さえも「自己責任」とされる現実。福島原発事故による避難の苦悩や避難先での生活の困難を、新潟県の調査を中心に明らかにする。佐々木一隆・田巻松雄 編 208頁下野新聞社/2023年3月本書は、外国人生徒の学びの場について、多様な学び場があることに目を向けた様々な人たちが共同執筆したものである。三部構成で、I 部(夜間中学、定時制課程、特別定員枠校)は日本と海外の学校に、II 部(学校以外の学びの場)は自主夜間中学、移民団体、外国人学校、外国人教育相談窓口に、III 部(排斥、排除、壁)は様々な排斥⾏動、学びからの排除、日本語習得の壁に焦点を当てて論じている。全11章の論考に加え、コラム、座談会もあり、随所に組織的な共同研究の成果が見られる。Editors: Kumiko Sakamoto, Frank M. Mbago, Hayashi Masayuki226頁/宇都宮大学国際学部附属多文化公共圏センター(CMPS)/2024年3月本書は、タンザニア、そしてアフリカ全般において重要な栄養源である野生食用植物についてわかりやすく紹介し、地元の資源を活用した食の改善による社会貢献を目的としています。植物の可食部に含まれる主な栄養素(エネルギー、タンパク質、脂質、炭水化物、食物繊維、カルシウム、鉄分、β - カロテン、ビタミン C)や、食べ物としての情報、季節暦なども紹介し、栄養価の高い食用植物のランキングも掲載しています。各食用植物は、サイドインデックスから葉の特徴で、索引から学名、日本語名、地方名、英名で検索できます。清水奈名子・藤井広重編 202頁ナカニシヤ出版/2024年10月グ ロ ー バ ル 化 し た 現 代 の 世 界 は、 多 数 の 複 合 危 機(complexcrisis)に直面している。複合危機は原因、構造、そしてその影響が複雑で多岐にわたるため、伝統的な学問領域における研究に立脚しても、それだけで正確に危機の実態を捉えることは難しい。ゆえに、複合危機と向き合うために多様な学問分野の知見を相互に活かす、「学際的」な研究が求められるようになってきた。国際学(International Studies)はこうした時代の要請に基づき誕生したといっても過言ではない。国際学は、人間、社会、文化そしてそれらを取り巻く環境について、さまざまな地域や時代、事象を対象として、多様な研究分野の間を往復しながら、グローバル化した21世紀の社会に生きる私たちが抱く多様で複雑な問いに答えようとする学問である。本書は11名の研究者が、自らが立てた問いに答えを出すために、どのような方法や枠組みを用いて調査や研究を⾏っているのかについての事例を示すことで、読者が学術的な論文執筆などを通して自ら研究していく際の手引きとなることを目指している。戚傑(単著) 80頁白帝社/2016年3月日本語と中国語の同形語について、その本来の意味からの転用の違いを研究することで、その背景となるそれぞれの国の政治、文化、社会が見えてくる。本書は、日中同形語の語義転換に関する分析結果を踏まえて言語教育・多文化教育のあり方を考察する。ある日、著者の元に届いた便せん一葉の手紙。それは入管施設に収容されている外国人 T からの手紙だった。その日から始まった T との交流。往復書簡に記されていたのは、形容しがたい20年に対する心の叫びだった。10歳で来日した T は、楽しそうに小学校生活を送っていたという。そんな Tが中学校で不登校になり、非⾏・犯罪に走ったのはなぜか。非⾏・犯罪の事実は T の人生をどこまで縛って良いものなのか。T の姿を通して、「外国人児童生徒の転落」と「入管施設での外国人の長期収容」の実態を問いかけた。重田康博(単著) 320頁明石書店/2017年3月本書は、急激にグローバル化する21世紀の国際社会の中で、グローバル市民社会の発展の理論と実際を検証し、NGO をグローバル市民社会が、戦争被災者や難民への人道支援活動としての「慈善」からその活動を質的に変化させ、貧困・援助・貿易・債務・格差など南北問題やグローバルな構造的な問題の根本的な背景や原因を分析し、問題の解決に向けての活動を多様化し、専門化し「公正」を求める活動へと発展し、展開した過程を検証している。田巻 松雄(単著) 160頁下野新聞社/2021年8月T is a Brazilian of Japanese descent who cameto Japan in 1998 at the age of 10 years. Hestopped attending school shortly after enteringjunior high school, and thereafter, he wasinvolved in a repeated pattern of delinquencyand crime. While in prison, he lost his statusof residence as a long-term resident andbecame an illegal overstayer. After spendingabout three years in an MOJ(the Ministry ofJustice)Immigration Control Bureau detentioncenter, he was deported to his home countryof Brazil in November 2019. This book focuseson T as an individual to closely examine histwenty years in Japan.共生のための言語教育と多文化教育日中同形語の語義転用からみる日中間の発想の相違点と類似点ある外国人の日本での20年―外国人児童生徒から「不法滞在者」へ田巻松雄(単著) 206頁下野新聞社/2019年11月激動するグローバル市民社会「慈善」から「公正」への発展と展開From Foreign Child to Illegal ImmigrantThe Case of T, a Brazilian Man of Japanese Descent Who Lived in Japan for 20 YearsLived in Japan for 20 Years奪われたくらし―原発被害の検証と共感共苦(コンパッション)外国人生徒の学びの場―多様な学び場に注目して―Field Guide to Edible Plants in Tanzania and Their NutritionFocusing on Wild Plants in Dodoma and LindiFocusing on Wild Plants in Dodoma and Lindi探究の国際学複合危機から学際的な研究を考える
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