山梨大学 大学案内 2025
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202510発生工学技術を駆使してクローン動物の原理の解明や宇宙ステーションでの生殖を目指す持続可能な地域づくりへの貢献を目指した教育・研究気候変動による甚大な洪水災害に対応するため、すべての関係者の力を動員する「流域治水」が進められています。多くの関係者との合意形成には、対策の効果を単純に示すだけでなく、より自分事と感じられるような見せ方が重要です。そこで高度な可視化機能を持つゲームエンジンを活用し、洪水の流れやリアリスティックな風景の描写を実現し、計画設計をアシストするための研究を実施しています。地域防災・マネジメント研究センター 大槻 順朗 准教授クローンやキメラ、宇宙ステーションなど、まるでSFのような内容の研究を本気で行っている世界でも珍しい研究施設です。当施設の特徴であるマイクロマニピュレーターは、ミクロの世界でロボットの操縦をするような装置で、自分の手で核(DNA)や染色体を自在に扱えるようになります。ここでしか体験できない楽しい研究ばかりです。発生工学研究センター 若山 照彦 センター長山梨大学地域防災・マネジメント研究センターでは、地域に根ざした研究組織として山梨県に貢献することを使命とし、地域のシンクタンクとして、地域をまもる人材育成の場として、また地域連携の拠点として、持続可能な地域づくりに向けた活動を行っています。具体的には、以下のような活動を展開しています。 ・ 地域の社会基盤施設の維持管理に関する技術的支援(インフラドクター) ・ 環境を活かしたグリーンインフラの提案 ・ 持続的な都市環境システムの提案 ・ 地域防災・地域連携の拠点としての活動 ・ 防災に関わる新しい考え方「フェーズフリー」の普及啓発 ・ まちづくりの計画立案・策定支援運営には山梨県や富士山科学研究所、国土交通省甲府河川国道事務所・富士川砂防事務所が参加し、地域との緊密な連携を図っています。これらの活動を通じて、地域との連携を強化し、さらなる地域社会の発展に寄与することを目指しています。発生工学の研究に必須のマイクロマニピュレーターという特殊装置を15セットも有する世界最大の研究施設です。この装置を使って、絶滅動物や絶滅危惧種をクローン技術で復活・救済することを目標とした基礎研究や、精子を卵子に注入して受精させる顕微授精技術を用いた不妊治療に貢献する新技術の開発を行っています。また、精子をフリーズドライにして常温で長期間の保存を可能にする「インスタント精子」の研究では世界を大きくリードしており、動物の遺伝資源である精子や受精卵をどの国でも簡単に保存できるような方法も開発しています。一方、将来人類が宇宙に進出した時のために、実際に国際宇宙ステーションにマウスの精子や受精卵を打ち上げ、無重力や宇宙放射線が人類の生殖や次世代にどのような影響を与えるのか明らかにする研究も行っています。地域防災・マネジメント研究センター発生工学研究センターVOICEVOICE地域防災・マネジメント研究発生工学研究特色ある研究、わくわくする学問

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