横浜市立大学 GUIDE BOOK 2026
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52国際教養学部 教授研究分野:日本文化史・日本中世史Ikuyo Matsumoto13世紀から15世紀頃にあたる中世日本の歴史書を研究し、歴史としての「過去」がどのように表現され、利用されたのかを考察しています。歴史叙述は、単なる史実の語りではなく、人の解釈を介した語りや表現による「過去」であり、戦略的な「過去」として作られました。中世の日本は戦乱、末法、皇統の分立など、国の存続を揺るがす大きな危機に直面しており、そうした状況が歴史書に反映されています。時には権力の正当化や秩序の維持のために「過去」が利用されることもありました。同じ出来事でも記述方法や視点ごとに「過去」が多元的に形成され、私たちの歴史認識に大きな影響を与えています。そこがこの研究の面白い点だと感じています。理学部/生命医科学研究科 教授研究分野:タンパク質の機能と構造ジェレミー テイム タンパク質の立体構造を調べる研究をしています。タンパク質は生物にとって不可欠な分子で、細胞の維持や生命活動を支える重要な役割を担っています。現代の新薬開発では、標的となるタンパク質の構造を基に分子モデリングを行います。私の研究室では、インフルエンザなどウイルスが持つタンパク質の構造を解明し、新薬の発見につながる研究をしています。また、医療や産業への応用を目指した、新しい人工タンパク質の設計方法も探究対象です。異なる種のタンパク質に共通の仕組みを発見することは非常に興味深いです。こうした構造の違いや環境適応の関係を解明することが、この研究の魅力です。未来を切り開くYCUの最先端研究研 究中世の歴史書から見える当時の権力者が抱いた危機感タンパク質の構造解析で生命の□に迫る松本 郁代J.R.H TAMEResearcher Interview

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